まず髪を整えて、きちんとメイクをします。カメラに映えるように、私なりのファッションコーディネート。歯磨きに丹念なうがいと発声のためのプラクティス。さあいいですよ。愛しき小さな人たちにコールをしてくださいな。
アトムの世界では当たり前のテレビ電話が、とうとうやって来た未来の我が家にも当たり前のようにあります。いつでもつながります。TokyoもKobeも隣の部屋と話をするようです。あの子たちがコンピュータの中の私の顔を確かめて、とてもいい具合のインターバルのあとに微笑みを見せたとしたら、恋でもないのに天にも昇る気持です。名まえを呼んで、見つめて見つめて可愛さを言葉にして頭の中に並び連ねます。とてもあたたかな幸せ感に包まれて、今日したことも出来るようになったことも聞きはしますが心は上の空なのです。ありがとう インターネット&FaceTime。
ところが、素敵すぎる幼い子たちとおばあちゃまの逢瀬は何の用意もしていない時に突然やって来る時もあります。ディスプレイに映るには余りになり振り構わずのこともありますから、女性としては注意が必要です。しかし、赤ちゃんには何も望みません。だって、ありのままを見ていたいのですから大丈夫。食事中でもオムツでも、たとえ泣いていたってそれでいいのです。お話はまだ出来ません。いつか話しかけて来ることは一度経験済みですから、まっすぐに向けてくる眼に心をぴったりと合わせれば会話だって出来ているのです。
けれども一つだけ、残念なことがあります。これが出来ないのならテレビ電話など要らないとさえ思ってしまいます。まるでそこに居るように見えたり聞こえたりすることは罪作りなことです。どんなに手を伸ばしても、いくら呼びかけに応えても触ることだけは叶わないのです。物理的に抱きしめることだけは絶対不可能な望みなのです。いつも最後にはコンピュータが嫌いになります。私の両の腕の、ちょうど良いはずの空間を居ながらにしてしっかりと満たすことが出来る全く新しいテクノロジーを、川柳に頼んでみましょうか。
泣き顔のビデオチャットを抱きしめる めぐみ
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