花言葉
小さく咲き誇り
雨を待ちながら
伝えたいことは
色に秘めた思いと風が揺らした心
振り返るたびに
この髪が揺れると
息を止める仕草で
わたくしを見つめるあなたが好き
閉じたままで
何も語らずに
言葉を投げて
わたくしと生き方とを尋ねてくる
精一杯に傾けた
わたくしの心は
無言...【続きを読む】
さよなら夏
暑い暑い夏の日には
何故過去が心を一杯にするのだろう
耳に入りきれない蝉の声
胸の底まで吸いきれない息
飛び去ってしまった意識が
太陽のフレアと共に記憶を連れてくる
繰り返す歴史の真実か
引き返すことを知らない幼い日か
揺すっても微睡みは解けず
抜けていく風にフワフワ...【続きを読む】
我が家のグルメ
星が幾つなのか、誰がシェフなのかという話ではありません。どんなものがどう美味しいか分からない、絶対にではなくたまたま出会う「我が家のグルメ」です。食材は手に入る時には手に入る、何もない時には何もないと当たり前です。
今評判の『孤独のグルメ』にすっかり入り込んでしまいそうな私です。
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図書館
三度のメシより好きなものが
ここしばらくこれからいくばく
私から遠ざかることになってしまいました
もう既に禁断症状
意味もなく落ち着かない
匂いみたいなものが恋しい
幻覚を見たり凶暴になったりしたらどうしましょう
今日は親分に頼み込んで
他所の組で何とかしてもらうことになりました
隣のシマま...【続きを読む】
夏の思い出
私のいる場所に
おはようからの賑やかな一日
会いたいと思う人が私へと次々とやって来る
ひとりでに踊る揺れるうれしくて涙
今日一日を自分に誠実に生きる
明日は正直な自分でいよう
一刻を楽しむ
その繰り返しを繰り返そう
すべては一度きりなどと
そんな思いは捨てて
秋の反芻の...【続きを読む】
天使の萌し
やわらかな光に包まれて
無垢な微笑みを浮かべ
頭の上の小さな輪は
もうこの子のシンボル
ほらほら背中に
まだ飛べはしない
何かを隠している
きっと清らかなWings
誰かが違うと言ったって
私がそうだと決めたのだから
秘密にしてはもったいない
私の救いの天使たち
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夏の微積分
失ってしまったものがあるとすれば それは
ちょうどの目盛りを通り過ぎたばかりの「時」
手に入れたはずなのだから ここに
スクリーンの映像ではないはずの「記憶」
まだ夢見ていたいと どこまで
ワンカットのテイクワンの毎日の「シリー...【続きを読む】
はじめての
じょうずに動かないグー・パーで
おもちゃを床に落としてしまったら
ソプラノの声が聞こえます
「あ~ぁ」
もしもいつかその声で
「おかぁ~さん」と言ったなら
記念日がひとつ増えるでしょう
少しだけ顔にお湯が掛かったからと
精一杯のいやいやで泣いてみせたとしても
きっともうすぐ甘えた声で
「おと...【続きを読む】