
かけられた手に少しでも応えようと椿は
精一杯の力を振り絞ってたくさんの花をつけ
すべての蕾を開かせるまでには
ひとつふたつとその身を地に投げるのでした

すぐそばではもうすっかり春なのですよと
やっと背丈ほどになろうとしながら
ずっと寒さを我慢していた幼い枝に
幾つもの衝撃的桃色の恥じらいを見せています

裏のイチジクの木を枯らしてしまった張本人の
てっぽうむしに会ったことはなくても
そのイチジクの思い出を忘れないようにとその場所に
新たに枝垂れの花桃を二本植えたのは一体何故なんでしょう

にぎやかな春はもっとにぎやかにと
その背景の殺風景なコンクリートブロックの壁に
木漏れ日の中に決して消されたりしない思いっきりの落書きを
春休みのにぎやか元気な人たちにお願いしたのでした
落書きの相合傘に君と誰 めぐみ
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