十尺の高みから
二段きりの小さな脚立は
伸ばせばハシゴにもなる一人前を経て
足は一本減ったものの
立派な大男になりました
木を見下ろして
平坦ではないところに
すっくと立つ姿を
少し離れて見つめています
土のついた足で
踏みつけられながらも
安全に支え続けるのが役目と知り
自分勝手には動けないほどの重...【続きを読む】
焼き芋 それも ジャガイモ
近頃はアリさんたちもマンション暮らしご近所づきあいの煩わしさはありません
誰の世話にもならなくたって二人で元気なら生き抜いてみせるって
そんな小さな花たちのひそひそ話が聞こえたら
密かにミサははじまります魔法使いは煙の中から現れて
食いしん坊の私のために素敵な呪文を唱えますアルミホイルは...【続きを読む】
贈り物は
次の季節に向けて空気を変えるために夏の間に北へ吹いた風が戻って来るしとしととそれを手伝う雨は冷たい
過ぎる程の青が空一面に広がったかと思うととても追いつけない速さで茜色が心の中まで染めに来る月は命の本当の冷たさに少し温い光を差し込む
贈り物が届けられた瞬間には止まってしまった心が動き出すまでの...【続きを読む】
たいづくし
夏の終わりに遅くなってしまった剪定どうしても咲きタイという願いを見守っているのはどなたかしら救いの仏様に見えるのは例の椿の切り株です
ああ僕たちは海に帰り・タイタイ・タイ・タイ・タイ・タイ・タイ
人間存在の罪深さいのちの上に成り立ついのちたとえこの...【続きを読む】
バッチリ・ビクトリーZ号
青い空と筑波山が後押しをしてくれます純粋に写真を撮るためだけのお出かけです
ここは関東鉄道の水海道操車場フェンスの中には無断立入厳禁
出番のためのお化粧でしょうかお目当の被写体を見つけました
仲間達に囲まれて自慢気ないでたちさて踏切の所まで追いかけて行くことにしましょう
「徐行だよどうだ...【続きを読む】
平成二人一首
帝の仰せではありませぬ。今年も秋の良き日をお選びになられてお妃様はお歌の会を催される運びとなったのでございます。
お知らせはまだ暑さが残るころに私の手許にも届けられておりました。私がまだ幼きころより欠かさず続けられているそうで、このたびは五十回の区切りを迎える盛大なものになると...【続きを読む】
かたち
「こんにちは初めてお目にかかりますどうぞよろしくお願いします。」「こちらこそお会いしたいと日頃より思ってましたどうぞこちらへ。」
初めて会う人と挨拶を交わして、お話をする機会はけっして多くはありませんから、ドキドキします、恥ずかしいとも感じます。でも、とてもお行儀良く、優しそうな言...【続きを読む】
DOOR
しっかりと鍵をかけておこう
けっして秘密ではないけれど
誰にも知られず自分でも知らずに
鍵をかけた部屋があると信じていよう
心と身体がチグハグに我侭を云い
空っぽになってしまった気がして
どこにも居場所が無くなり
渇き切ってしまいそうになっても
どこにあそこにここに
私ひとりのためだけの...【続きを読む】
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