What is it ?
捜しているものは、どうしても見つからないものなのです。見えるところにあるのならきょろきょろとする必要はなく、こんなに焦がれるような思いもないでしょう。忘れてしまわなければ思い出すことが出来ないのと同じ様に、きっとそれは最初から忘却の彼方に存在するもののよう...【続きを読む】
五七五くらい歩いた家の中
一日中雨の降る日は一日中家の中にいます
もとえさんはいつもの窓辺 前髪がすこし伸びましたね
彼女が見つめているのは新しいコーヒーカップ
新しいものはもう一つあります
ほら きれいでしょ
きれいなものがもう一つ窓の向こうにありました
見上げていたのはこのふたり
古いフルイと古いカメ
私も見...【続きを読む】
くもとくも
蜘蛛はわたくし
一本のたて糸から誰にも邪魔をさせずに
朝露輝く空中御殿を築く事が生のベース
美しいこの躯を嫌うことは罪悪と心得よ
脚を数えて昆虫ではないと分類などして
本質を問わぬことは愚かであり下らぬ事
狩りの姿は美であり孤高そのものである
この場所に現れてこの時間を生きる事で
全...【続きを読む】
ほろ苦
にが~いコーヒーが大人の気分
ブラックにあこがれ続けて
たどりついたところは
一口目の前に香りの誘惑を楽しんだ後
飲み込んで抜けてくる香りは私だけのもの
苦みも酸味も透明感も温度も複雑なグラデーション
苦ければ大人と決めていた私が恥ずかしい
2/3になったらカップの縁から...【続きを読む】
祈り
時の帝がお住まいになるごく近くに私の屋敷はあって、歌を詠んだり碁を楽しんだり、琴や琵琶に心傾けたりしながら暮らしておりました。今思えば、かれこれ千年にはなりましょうか。あの頃の私はそんな先の世界までは思いを馳せることも出来ずに、短い命を嘆き、必ずや現世に生まれ変わることだけを祈っていたのでありました...【続きを読む】
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