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 9月下旬に安倍前首相の退任表明が突然なされて、大方の国民はびっくりしたと思うが、その頃、文芸仲間が私を入れて5人ほど集まる機会があって、空いた時間に当然この話題になった。
 1人が「あれは天罰だよ」と言ったら、私を除く残り3人すべてがすぐに同調した。私は政治に対してはいつもニュートラルでいる。どこの党が政権をとっても日本の政治は変わらないという考えを持っているからである。選挙にもあまり関心がない。安倍前首相に対しても格別の思いなどはない。だからその時も黙っていた。天罰と言った人、それに同調した3人も特定の政党を熱心に支持しているようには思えない。
 これは日本人の道徳観念から来ているのではないかと考えている。8年近くの在任期間にいろいろなことがあったが、政治的なことだけでなく、人間性とか道徳的なことについてもどうしても考えてしまうのが日本人の心情、本性なのだろう。単にその政治的な功績を褒める、失敗を非難するだけでなく人間そのものを見てしまう、見ようとする。日本社会において同時代を生きるとはそういうことなのだとつくづく思う。
 拙宅にも偶にかかってくる電話による世論調査(RDD)で、例えば安倍首相の退陣を天罰と考えるかどうかの質問をやったら、案外多くの人がそう思うと答えるかもしれない。私の文芸仲間では少なくともそうだったのだから。
 最後に言うと、持病の悪化とはいえ、一国の総理大臣が自分の健康管理をスマートに出来なかったのは、どう考えてもよろしくないことだろう。

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