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 恥ずかしながら大人になるまでトマトジュースの味を知らなかった。高校を卒業するまで飲んだことがなかったのである。当時の瓶や缶入りの飲み物と言えば、コーラに無果汁のオレンジやグレープ味のジュースが主流で、缶コーヒーなどは結構割高の値段(多分100円)で売られていた。
 18歳で東京へ出て来て、同じ下宿の仲間からトマトジュースは健康にいいと勧められて飲んだのは夏の初め頃だった。缶ジュースと言えば甘いものという固定観念があったので、塩分の入った真っ赤な飲み物にびっくり仰天。何かすぐには馴染めない印象を持った。
 それが1年経って2回目の東京での夏を迎え、無性に1年前のトマトジュースが飲みたくなったのである。パブロフの条件反射みたいで、東京の夏はトマトジュースで始まるような刷り込みを持ってしまったのかもしれない。この習慣は結構続いた。夏になるとトマトジュースを必ず飲み始める。夏が終わると飲むのをやめる。
 この条件反射が消えたのは、中年と呼ばれる年齢が近づいて、いろいろな野菜ジュースが世間に出回り始めた頃だった。私も少しずつ健康志向になり、こういった類のものを季節に関係なく飲みたくなってきたのである。トマトジュースも無塩のものを敢えて選んだりするようになった。
 体が守りの姿勢になっているのを自分でも確実に感じ始めていた。無理して酒を飲まない。飲み会の誘いも自分から積極的にはやらない。誘われても乗り気でなかったらスッパリ断る。適度な運動(ジョギング・フォーキング・室内体操)を習慣づける。
 こうなってくると、野菜ジュース、トマトジュースもお得なペットボトルをまとめ買いして、一年中ほぼ毎日のように飲むこととなる。当然季節感などはない。条件反射は呆気なく消えてしまう訳である。



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