文芸仲間の死
以前お話しした「読む会」の仲間の一人が3月に亡くなった。クモ膜下出血で急逝したのである。享年68歳。
内々に葬儀を済ませていたようで、逝去して1週間ほど経ってから訃報が私の方にも届いた。お線香を上げに自宅へ行ったら、奥さんに生前の話しをいろいろと伺って大変驚いた。
別居生活が長く夫婦関係は破綻...【続きを読む】
許可なく立入りを禁じる
前回の続きのような話しになるが、以前少々理屈っぽい人に出会った。その人が「許可なく立入りを禁じる」の看板を見て、これはおかしいと言い出した。
「許可なく」の「なく」は形容詞「ない」の連用形である。ということは、それに続く言い回しのうち用言の品詞に係ることとなる。「立入り」はもともと「立ち入る」の...【続きを読む】
喋れ!喋ろ!
私の卒業した高校は男子高で、一応は進学校だった。それなりに授業は厳しかったが、化学のM先生の時はきついシーンがたびたびあった。一通り黒板を使って教科書のことを説明した後、きちんと理解できたかどうかをみるために指示棒で適当に生徒を指名して質問するのである。生徒が答えられなくて黙っていると、強い栃木訛...【続きを読む】
絆と世間体
9年前、東日本大震災が起きて日本は大変な事態となったが、その頃から「絆」という言葉が広く言われるようになったと記憶している。
個人的にはその当初からこの言葉に少し違和感を抱いていた。何となくもやもやっとしたものである。その後、小説家の五木寛之氏が何かの雑誌の対談で「絆とは本来、断ち切りたくても断...【続きを読む】
栃木県文芸家協会(とちぶん)について
栃木県文芸家協会(通称とちぶん)に入って6年ほど経つ。文芸家と言っても、この組織は職業団体ではない。文芸を趣味とする仲間の集まり、法人格のないいわゆる任意団体である。創立は昭和47年で、一応50年近くの歴史がある。部門としては、小説、評論、随筆、詩、短歌、俳句、川柳の7つのジャンルがある。会員はほ...【続きを読む】
子育てにおけるささやかな実験
オーストリアの著名な動物行動学者にコンラート・ローレンツ(1903-1989)という人がいて、「ソロモンの指環」などの一般書を読んだ方は多いのではないかと思う。動物行動の観察から得た「刷り込み」理論の知見は有名であり、ノーベル医学・生理学賞も受賞している。いろいろな種類の動物を放し飼いして観察する...【続きを読む】
裏と表
大学生の頃、NHK教育テレビ(現在のEテレ)の大学講座を自主的に受講していた。テキストも書店で購入して毎晩のようにテレビの前に座っていた。人文社会科学系の歴史、法律、経済、思想史などの他に、生物などの自然科学分野もあり、著名な大学教授が講義を担当する。中身の濃い30分番組だった。その中で、河合隼雄...【続きを読む】
「善悪の彼岸」から学んだこと
これはニーチェの哲学書である。大学生の時にこれの文庫本を古本屋で買って読もうと試みた。ページを捲ってみたがほとんど何を書いてあるのか分からない。一応哲学専攻の学生だったので、ニーチェの思想がどういうものかの教科書的な知識はある程度持っていたが、いざその著書を読み始めると眠くなるどころか、それ以前に...【続きを読む】
突然の新京極
今から十数年前のことだが、娘が京都の大学に入学することになって、いよいよ3月末に栃木から引っ越しとなった。
大学生活を送る学生ハイツは京都御所の南に位置していて、引っ越し作業の前日に行ってカーテンの取り付けなど、ある程度の下準備を行った。それから近くのホテルに泊まって翌日は朝からハイツに行き、栃...【続きを読む】
YouTubeの衝撃
パソコンにインターネット、ケータイからスマホ、情報ツールの進化に恩恵を受け、なおかつ翻弄されてきた人間の一人だが、YouTubeの衝撃が私個人の中では一番大きかったと思う。
最初は、こんなものにあまり興味はなかった。これは年齢的な問題が絡んでいる。要は中高年になると、そういうものが出回ったってさ...【続きを読む】
幾山今井親以下坂坂…
こんなタイトルを付けたが、おそらく分かる人はいないだろう。
高校三年の受験生の時、私は大学入試の社会の選択科目に日本史を選んだ。点数をうまく稼ぐには地理や世界史で受験する方が有利なのだが、当時の私は文学部に入って日本史を専攻しようと頑張っていたので、不利といえども当然のごとく日本史を選んだ。
...【続きを読む】
♪鮨屋で…
10年ぐらい前になるだろうか、休日の午後、何処へ行くともなく車でぶらぶら田舎道を走っていたらラジオからこの曲が流れてきて、歌詞の内容、ストーリーの展開に思わず聞き惚れてしまった。作詞 井上千穂、作曲 杉眞人、あさみ ちゆきが歌っていた。
一番の歌詞は、小学生ぐらいの娘と父親が鮨屋のカウンターで小...【続きを読む】
めもあある美術館
これは私が小学6年生の時(多分1学期)、国語の教科書に載っていた物語である。不思議な感じのする話しでずっと記憶にこびりついていた。
タイトルにある「めもあある」の意味が当時分からなかった。授業で先生は教えてくれたのだろうか。記憶にない。大学に入って第二外国語にフランス語を選択して、フランス語の「...【続きを読む】
待つことが苦にならず/川柳の効用
川柳をやっていて、これはメリットだなぁとしみじみ思うことがある。それは、何につけ待つことが苦にならなくなったことである。
川柳と出合う前のかつての私にとっては、とにかく待ち時間というものはじれったいもので、何かで気を紛らわさないとイライラが募るばかりだった。人と会う約束でかなり待たされた場合、理...【続きを読む】
一杯の牛丼
またまた東京に出て来た時の話しで恐縮であるが、初めて食べた牛丼の旨さに驚いたことは今でも忘れられない。
大学の入学手続き、下宿探しをした帰り、高田馬場の某大手チェーンに一人恐る恐る入り、生まれて初めての牛丼を食べた。当時のメニューは並盛(200円)のみ。あとはオプションのお新香(50円くらいだっ...【続きを読む】
回転寿司と「上がり」
前回からの続きのようになるが、東京の学生時代は回転寿司にもよく行った。今でも憶えているのは、高田馬場駅近くのビルの地下にあった某チェーン店。一皿90円だった。
昭和50年代前半の当時、私が外食にかけるお金はだいたい200円台から300円台。これくらいが大学生の平均だったと思う。だから、回転寿司で...【続きを読む】
四畳半の小宇宙
もう40年以上前のことだが、学生時代は東京の下宿で四畳半の生活をしていた。正方形の世界は自己完結の小宇宙だったと、今更ながら振り返っている。
随分前のことだが、娘が高校に進学して1年の2学期頃だったか、2年次に進級する際のコース選択について理系にするか文系にするかで当人はかなり悩んでいた。父親と...【続きを読む】
そうは思わない
川柳は五七五のわずか十七音の言語表現だから、詠み手の詠んだとおりのことを読み手がそのまま理解するということは難しい。いや、そのまま素直に理解されたらかえって面白味や深い味わいが得られない。解釈と鑑賞は読み手に委ねられて作品は生かされる。
昨年4月からFacebookで「∬∬ 今日の一句 ∬∬」を...【続きを読む】
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