前回からの続きのようにもなるが、2月25日(日)に放映されたNHKスペシャル「戦場のジーニャ〜ウクライナ 兵士が見た“地獄”〜」も凄い番組だった。
番組のホームページにはこのように紹介されている。
[テレビカメラマンだったジーニャ(35)は、不法に占領された領土を取り戻すため前線で戦うことになった。そこは第一次世界大戦さながらの塹壕戦。深さ2メートル、幅1メートルほどの塹壕を掘り、その中に兵士数人で籠城。至近距離でロシア兵と撃ち合った。「これは殺人ではないゲームだ」と生き抜くため何度も自分に言い聞かせ、必死に感情を抑え込んだ。この番組では戦場の実態を伝えるため死体や重傷の兵士の映像が流れます。]
これも録り溜めしていたものの一つだが、何気なく見始めると、とんでもない話題を取り上げているとすぐに気づき、画面に食いついて視聴した。そして後日改めてもう一度観た。2回見ても飽きることはなかった。
戦場へ赴くために家族と別れる場面が悲しく記憶に残ったが、圧巻だったのは、銃撃戦を展開する中、ある兵士が敵の仕込んだ地雷を踏んで下半身を負傷するところを完璧に捉えた場面である。命は辛うじて助かった。当人が語るには、負傷した時は痛みはなく、一瞬に両脚が麻痺したと言っていた。しかし激痛はその後にやって来た。
登場した何人もの志願兵は、帰還しても再び戦場へ向かうことを躊躇していない。いきなり戦争に巻き込まれ、そこから国を守るという強い意志が俄然生まれてくる凄さをまざまざと見せつけられた。再放送があったら是非観て欲しい番組である。