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 我が家の庭先に柏の木がある。60年近く前に一家でここへ引っ越して以来毎年葉っぱを生やして成長してきた。高さは3メートル以上あるだろうか。
 柏の木の生命力はもの凄い。5月下旬、初夏を迎えて生い茂るように葉が生え始める。それらの葉をほとんどすべて剪定すると、ひと月程度でまた生えてくる。それをまた剪定してもまたまた生えてくる。これを何回も繰り返す。
 子供の頃、その季節になると母親が、この柏の驚異的な生命力と子供が逞しく育って欲しいという親の願いが重なって端午の節句に柏餅を作って食べる習慣が生まれたということをよく話していた。
 葉っぱを千切って香りを嗅ぐと、これは当たり前のことだがあの柏餅を包んでいる葉と全く同じ。柏餅を食べたくなる匂いである。
 地味な植物だが、しっかりと真っ直ぐに伸びた幹にはやはりそれなりの存在感を感じる。冬には葉っぱは残らず枯れてしまうが、逞しさは変わらない。
 5月5日の端午の節句には我が家の柏の木はまだ葉っぱを生やしていない。5月下旬頃になってようやく生え揃い、毎年母親が葉を千切って柏餅を作ってくれた。お昼ご飯の代わりに5個も6個も食べた記憶がある。



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