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 私は子供の頃から漫画があまり好きではなかった。吹き出しの台詞と絵を交互に読み進めていくことが苦手だったのである。軽度の発達障害の一つなのかもしれない。子供で漫画嫌いというのは滅多にいないので、友達と漫画の話題になると私はいつも話しを合わせていた。
 ある時、漫画好きな友達にどうすらすら漫画を読んでいるのかそのコツを訊くと、絵を主体にして吹き出しは二の次で読んでいるという答えだった。言葉と絵のそれぞれが同じくらいの比重で気になる私には絶対出来ないやり方なのだと密かに悟った。
 言葉と絵の組み合わせに対する同時並行的な理解力に欠陥があると、洋画の吹き替えも苦手である。中学生になって劇場で映画を鑑賞するようになったが、洋画の字幕が苦手だった。字幕に重点を置いて映画を観ると、映像の印象が薄くなるし、その反対に映像を主体に眺めていると台詞をよく読めていないので物語の展開が分からなくなったりする。昭和時代の字幕はあまり上手には作られてなくて、字幕の背景が白っぽいと何が書かれているか文字がさっぱり読めない場面がよくあった。もうお手上げ状態になる。
 洋画は吹き替えだと雰囲気が変わってしまうので本格的に鑑賞するなら字幕がいい、そう主張する人は結構多い。あるテレビ番組の意地悪な実験で、洋画の字幕と吹き替えの両方を見せて、どちらがよかったかの調査をした。回答は圧倒的に字幕がいいということだった。しかし、ここでタネ明かしがあり、その洋画はもともとイタリア映画で、そもそもの英語の音声も実はイタリア語から英語への吹き替えだったのである。これに気づいた者はほとんど誰もいなかった。
 私は個人的には吹き替えの方が好きである。子供っぽいと言われようとも、台詞を耳からじっくり味わえ、印象に残るからである。また字幕の翻訳は、字数の制限でかなり意訳されているのも引っ掛かっている。
 漫画や洋画について他人にはなかなか言えない劣等感を持っていて、ずっと人前では話さなかったが今更ながらカミングアウトする次第である。



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