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 1月下旬、近所に新たなスーパーが開店した。私が徒歩や自転車で行ける範囲では3つ目となる。人口も増えていない地域なのに採算がしっかりとれるのだろうか。オープン前の建設中の段階から気になっていた。
 さて当初はあまり興味もなかったが、いざ開店日が近づいてきて、新聞に入っていた開店予告の折り込みチラシを何気に眺めてみた。スマホにアプリをインストールして電子マネーを30,000円チャージすると1,000円分が加算されるというではないか。恥ずかしながら(ほんとにそう思っているのか自分でも頗る怪しいと思うが(笑))、こういった類のお得感に私は滅法弱い。早速やってみようと思い立ち、開店直前の準備中の店舗へ行って手続した。店側の説明を受けながらアプリを入れてチャージすると、難なく1,000円をゲット出来た.。
 開店初日のチラシには日替わりの特売品がいくつも並んで載っている。その特売の安さが、新規オープンということで半端ない。これは買わなくちゃ損だろうと、特売品目当てに何日か通ってみた。マヨネーズやお菓子、麻婆豆腐の素、切り餅などを定価の半分以下で買うことができた。
 その中に、有名な乳製品メーカーのマーガーリンがあった。何とこれも定価の1/3以下の価格である。独り暮らしには少し大きいサイズかなと躊躇いながらも思い切って内容量300gの箱をカートに入れた。
 家に帰ってから、改めて300gの重みを実感すると、これを全部食べ切れるだろうかと不安になってきた。そして急に思い出したのである。原材料が植物性油脂であるマーガリンには、悪玉コレステロールを増やして動脈硬化のリスクを高めると言われているトランス脂肪酸が多く含まれている。これは、かつてメディアなどで話題となったことである。少しずつ不安になってきた。知り合いが「マーガリンは食べるプラスチック(硬くてなかなか腐らないという意味合い)だ。バターの方が体にはいい」と言っていた。しかし私の性分としては、せっかく買ったものなのだから、そうは言っても勿体ないので全部残さず食パンに塗って使い切ろうという思いもある。ここでジレンマが生じた。
 子供の頃、休日になると近くのパン屋へコッペパンを買いに行き、お昼に家族でマーガリン(多分トランス脂肪酸たっぷりのもの)を塗って食べたものだった。一斤8枚切りの厚さの食パンをトーストして同じくマーガリンを塗り、これを夕食にしていたこともあった。トーストは4枚食べるとすっかりお腹が満たされていた。昭和40年代の我が家の倹しい食生活である。
 その後時代が変わり、トランス脂肪酸と動脈硬化の関係が話題となり、次第にマーガリンは悪者扱いされるようになってきた。我が家も以前からバターに切り替えていた。バターにするとかなり割高になるが、健康には代えられない。かつてバター不足になった時期もあったが、それも何とか乗り越えていた。
 さて話題を元に戻すと、特売のマーガリンの箱を前にしてあれこれ不安になった自分がいる。封を開ける前から既にこのマーガリンを持て余しそうな気持ちなのである。どうしようか。何気にこれが入っていた紙箱を眺めると、脇のところに「原料油脂に部分水素添加油脂を使用しないことで、トランス脂肪酸の低減に取り組んでいます」と記されているのを見つけた。さらに気になってネットで調べてみると、今のマーガリンは大体どこのメーカーでもトランス脂肪酸はかなり減らされてきていて、バターより含有量が少ないということも分かった。これで少しは安心してきた。洋菓子に使われるホイップクリームも植物油脂を使ったものが多いので、心配したらキリがないと思い直した(私は食後によくお菓子を食べる)。
 いざ使い始めると、トーストした食パンに塗ってとろけたマーガリンを味わい、久しぶりの懐かしさを感じることができた。トランス脂肪酸の件は、私なりに一応片付いたつもりだが、何度か使ううちに、このマーガリンの塩分濃度は結構高いのではないかと気がついた。血圧がやや高めの私には、そっちの方で要注意である。調子に乗ってトーストにたっぷり塗りたくるようなことは控えねばと自戒した。
 加工食品には一次から三次まであって、一次加工食品は、米や小麦粉などの農産物や水産物・畜産物などをいう。味噌や醤油などの調味料、マーガリンやバターは一次加工食品を二つ以上組み合わせて加工したものなので二次加工食品に該当する。さらに三次加工品とは一次と二次を組み合わせた冷凍食品やレトルト食品、スーパーの惣菜などの調理済み食品をさす。私はなるべく三次のものは避けて自分で調理するよう(亡くなった母親の教えから)心がけているが、あまり神経質になっても仕方がない。
 マーガリンだけでなくトランス脂肪酸を多く含むショートニング、さらにいろいろな添加物、着色料、発がん性物質など、食品(特に二次・三次加工のもの)について注意すべきことが気になりだすと、食べることに対してどうしても限界が生じてくる。何も食べられなくなるだろう。少なくともスナック菓子やインスタント食品はアウトだと言える。ということで、今までどおり、そこそこに(ポテチやカップ麺を偶に食べる程度に)付き合っていきたい。

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