Loading...Loading...

 先月、隣市で名作映画祭というイベントが開催された。第8回ということだったが、私は初めての参加だった。入場料は1,000円で、100名前後の方が集まったようである。私を含めて高齢の方ばかりが見事に(?)集まっていた。
 内容は第1部に映画コンサートが開催され、フルートと電子オルガン(エレクトーン)のデュオ「Tomo2 Concert」による演奏を1時間楽しんだ。第2部では名作「ティファニーで朝食」が上映されたが、吹き替えによるものでいかにも高齢者向けという感じがした。しかし私にはその方がよかった。2021年8月18日 に「映画の字幕と吹き替えについて」を書いたが、字幕が苦手な私には物語の展開がよく分かったからである。
 さて、二つほど書き記したいことがある。一つ目はコンサートで演奏された電子オルガンのことである。曲目の中に「スターウォーズ」のメドレーがあり、これは電子オルガンによるソロ演奏だった。奏者の井上智美さんが、前置きに電子オルガンという楽器の説明をしてくれた。この楽器は、オーケストラの60人くらいに相当する演奏が可能だという。「えっ、ウソ」と思ったが、名演奏に耳を傾けると、確かにそんな感じがしてきた。一人の人間の両手両足で60人分の威力を発揮する。スターウォーズのあの有名なメインテーマを聴きながら全くその通りだと驚いた。この歳になるまで、電子オルガンがそんな全知全能の神様のような存在であるとは知らなかった。まっ、私が音楽に疎いだけのことで、これは世間の常識なのかもしれない。しかし、自分が知らなかったことを今更ながら知る喜びと感動を味わった。
 二つ目は「ティファニーで朝食を」である。主題歌の「ムーン・リバー」があまりにも有名で、アンディ・ウィリアムスなどのカバーで若い時分から承知していたが、映画の方は観たことがなかった。この歳になってようやく出合えた作品だった。観終えた感想を率直に言えば、オードリー・ヘップバーン主演の作品の中では、少なくとも日本ではあまり評判になるようなものではないと思った。彼女が演じた主人公ホリー・ゴイライトリーの波瀾に満ちた生涯に対して、日本人(特に女性は)として付いていけないところを感じてしまうのではないか。感情移入が難しいと思われる。日本では同じく彼女が主演した「ローマの休日」のような作品がオーソドックスなロマンス映画として人気だった。映画より主題歌の方が長く記憶に刻まれるような作品がいくつもあるが、その典型的な例だと私は感じた。
 そして私の個人的な驚きは、ホリー・ゴライトリーの夫役のドク・ゴライトリーを演じたバディ・イブセンのことである。すぐにテレビドラマ「じゃじゃ馬億万長者」のジェドじいさんではないかと気がついた。2022年9月30日に「じゃじゃ馬億万長者」を書いたが、バディとは何年ぶりの対面であろうか。日本の俳優なら、財津一郎、笹野高史、苅谷俊介の3人の顔を上手くアメリカ人的に合成したら出来上がる、そんな雰囲気の顔つきである。あのじいさんが「ティファニーで朝食を」に出演していたとは、個人的には実に感慨深い。上映中、このことに気づいたのは私一人だけだったか。いや観る者は私と同じ年代である。私のような発見をしたもの好きな方が他にもいらしたかもしれない。
 なお名作音楽祭は、次回もあれば行きたい。こんな学びと発見があるなら、それだけで価値がある。

ポストする LINEで送る ブックマーク
❤️ ひざポン
ありがとう!

「なるほど!」「いいね!」
心が動いたらポチっ(無記名)

 久しぶりに孫たちと会ってみようかと、7月下旬に関西にいる娘夫婦のところへ2泊3日で行ってみた。娘に直接会って頼みたい大事な用件もあったが、メインは夏休みに入った孫たちのお相手をすることである。  梅... 「懲りることなく不覚にも風邪をひく」の続きを読む
 我が町では毎年7月に地域の夏祭りがある。町内の御神輿や山車が通りに繰り出されて人が集まる。夏といえば何処にでもあるような風物詩の一つであるが、どんな賑わいだろうかと今年は久しぶりに一人で足を運んでみ... 「町内の夏祭りへの老婆心」の続きを読む
 先月の読売新聞では、デジタル教育の特集が連載されていて、初等教育において文部科学省が推進する教科書のデジタル化の是非が論じられていた。北欧などの先進的なデジタル教科書導入例を参考にしながら、いろいろ... 「ペーパーレスの行き着くところ」の続きを読む
 皇室典範が漸く改正された。結婚した女性皇族の身分保持や、旧宮家から迎える男系男子の養子縁組みが目玉となった。しかし今後の日本の天皇制や皇室について、改正による具体的なイメージはなかなか湧かない。国民... 「血縁のイリュージョン」の続きを読む
 私の飲み仲間は、かつてマラソン大会へ毎月のように出場したり、山登りへしばしば行ったりした職場の元同僚たちである。思い返してみると、40年を超える長い付き合いとなる。  先日久し振りに飲んだ際、その一... 「癒着」の続きを読む
 毎週水曜日の午後、太極拳の練習で町の中央公民館へ通っている。自宅から数100mの距離なので大抵は自転車で向かうのだが、1時過ぎにかつて自分も学んだ小学校の脇の道路を通る。  いつも目にするのは、給食... 「懐かしい光景-沈殿していた記憶-」の続きを読む
Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K