Loading...Loading...

 今年の4月、NHK総合の毎週金曜の夜に放映されている「ドラマ10」シリーズの番組「70才、初めて産みますセブンティウイザン。」(原作は漫画/全3話)を観た。いつもこの時間帯のドラマは大体観ているので習慣にもなっていた。
 竹下景子と小日向文世が扮する70才を超えた高齢者夫婦に子供が生まれるという話しである。何気に第1話を眺めるようにして観ていると、物語の発端、その展開が物凄く馬鹿馬鹿しい。世間では全く有り得ないことが続いている。途中で観るのを止めようかと思ったくらいだったが、惰性でそのままの画面にしておくと、展開とは別に何か変な引っ掛かる思いが自分の中に少しずつ芽生えてきたのである。
 妊娠した妻の竹下景子は、きっぱりと産む決意をする。超がつく高齢出産ということで大学病院に通院することとなったが、中村梅雀が扮する主治医(病院長)は、淡々として診察を続けて出産に立ち会う。
 気の弱そうな夫の小日向文世も世間の怪訝な目を気にしていたが、右往左往しながらも徐々に開き直りを見せていく。無事生まれてから夫婦で公園デビューすると、周囲には孫のお守りをしている老夫婦と勘違いされるがそれでも二人はめげない。同じマンションに住んでいるということで知り合った子持ちの若夫婦も主人公夫婦の出産・子育てを不自然・不思議に思わず、子を持った家族同士として素直に付き合ってくれていた。
 最終回を観終えて、引っ掛かっていた自分の思いが何だか次第に分かってきた。出産や子育てについて、ある意味で教科書的な正解というものは存在しない。個々にその状況は違う。結果的には自分なりに正しいと考えたやり方をもとに進めていくこととなる。開き直りへスイッチが入る訳である。つまり正解はそれぞれの気持ちの中にあると言える。
 周囲の意見やアドバイスは参考になるかもしれないが、実際の判断は自分や夫婦で決めることとなる。私も子育て(一人だけだが)を経験した者であるが、確かに自分の信念みたいなものが徐々に生まれて、それに沿って我が子を育ててきたようなところがある。もちろんその信念が正解だったかどうかは永遠に証明されない謎みたいなものかもしれない。
 人口減少、少子化社会などと言われて久しいが、だからと言って国の対策が効果的に講じられて好転していくかというと決してそうではない。子育て環境の改善とか、育児休業制度の充実とか、経済・家計支援とか、個人の集合体である国のやり方と、一人一人の個人の意識・考え方には所詮合致できないものがある。だから、国の政策に簡単に乗っかるような出産・育児は出てこない。人口の減少傾向を抑えることはなかなかできない。
 以上、このドラマを観ていない人にとってはおもしろくも何ともない話しを長々と続けてきたが、何気なく観続けたドラマが予想外に段々とおもしろくなり、最後は自分なりにずっと考えていたことに結び付いたというのが密かに嬉しく自分なりに感動した次第なのである。
 最後にここまで書いてきてふと気がついたのだが、私は子供が生まれて3か月後、妻を亡くした。子供は当時61歳だった私の母親がほとんど一人で育て上げた。世間であまり例のない経験をした訳だが、そういうことも下地になってこのドラマに惹かれたのかもしれない。



この投稿を読んで「いいね」「参考になった」と思ったらクリックをお願いします。
なお、Facebook、Twitterなどのアカウントをお持ちの方はそちらをクリック頂き、また、「ひざポン」ボタンもクリックください(ひざポンは無記名ボタンですのでお気軽にクリックください)。

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Post Navigation

Copyright All rights reserved. SHINYOKAN PUBLISHING illustration by Nakaoka.K