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 大学時代の一時期山歩きのサークルに入っていて、結構いろいろな山に登った。今でも忘れられないのは、1年生の夏休みに岩手県の夏油温泉から焼石岳という山に登った時のことである。実は生まれて初めて天の川を眺めた。それまでは小学生の頃宇都宮にあるプラネタリウムで人工的なものを見ただけだった。
 その時感じた天の川の不思議さは、川の中に星がいくつも輝いていることだった。快晴の満天の星の世界に雲の筋のように見えた天の川。雲だったら星などは隠れてしまうはずだ。それが川の中に見事に散らばっている。星と雲の関係、どちらが手前でどちらが奥にあるのか、本当に神秘的だった。もちろん流れ星もたくさん見えた。
 この感動から天体に俄然興味を持ち始め、早速星座早見表を買うことに決めた。インターネット販売などがなかった当時、わざわざ宇都宮のデパートまで行って買い求めたのを今でも憶えている。ついでに本屋で野尻抱影の星座の本も買った。
 しかし、買い込んだ星座早見表を使うチャンスはなかなか訪れなかった。その後泊りがけで山に登ってもなかなか夜空が快晴になることはない。サークルも2年生の時にやめてしまい早見表はどこかに仕舞い込んだままになってしまったのである。
 その後天の川を見たのは、20年ぐらい経った頃だったろうか。娘が小学生の頃、親子で星座を見る会という催しがあって矢板市高原山にある少年自然の家に行った。そこには天体ドームもあり望遠鏡で土星などを眺めたりしたのだが、肉眼で天の川もよく見えた。しばらくぶりのご対面である。
 それからさらに約20年、誠に残念なのだが天の川とは出合っていない。
 星空を眺めていると、俗世間のことが小さく思えることは確かである。イライラすることがあった時、夜になって満天の星を眺められたら、いくらか気持ちも晴れて和むというものだ。心の平和は星空から降りて来る。私の周りで今でも天の川を見たことがない人が結構いることに正直びっくりしている。

  永遠の今が流れる天の川   博史

 

 



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