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 西暦20XX年、日銀のマイナス金利が高じて、ついに銀行の利子が定期預金でも普通口座でもゼロパーセントになった。とんでもない世の中である。
 給料やボーナスの一部を銀行に預けても、一銭も得にならない。しかしだからといって家に置いておくタンス預金にしておくと、物騒な世の中なので落ち着いて寝ていられないというデメリットが出てくる。ということで、相変わらず庶民は貸金庫と思って銀行に預けている。
 銀行も企業へ融資する際の利子が法律で取れなくなってしまった。代わりに、国が法人税を財源に融資額に見合った交付金を出すことになった。株式の配当は今までと変わりはないが、国債や社債などの利率もゼロになった。住宅ローンや消費者金融も利子はなくなる。こういった会社には銀行と同じように国から交付金が出る。
 要するに、金融という概念がなくなってしまったのである。銀行や証券会社・保険会社などには大変な事態である。
 「金が金を生む」という発想が完全に否定されてしまった。日本経済の成長は著しく鈍化していく。ところが、地道に経営がなされている町工場・中小企業を中心にそれなりの活気も出てきた。
 経済の成長は縮んだが、過剰な投資、無駄な開発が消えて、格差も是正されるようになった。資源も大切に扱われるようになった。世界も日本のやり方を見習うようになり、結果的には持続可能な開発目標(SDGs)の達成へ近づくことが出来た。



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