昔はいろいろなブランドのガソリンスタンドがたくさんあった。それが道路の目印にもなっていた。子供の頃、ガソリンスタンドのブランドをどれだけ知っているか友達と競争したことがある。
ゼネラル、エッソ、共同、三菱、昭和、大協、丸善、モービル、出光、キグナス、シェル、九州、日本…、思いつくままに名前を挙げてみるとこれくらいは出てくる。目印の看板になっているブランドのマークやロゴがイメージとして頭に残っているから、名前もずっと記憶にあったのかもしれない。日本経済の高度成長期とはたくさんの石油会社があった時代でもある。
私の姉夫婦が埼玉県で30年以上ガソリンスタンドを経営していた。最初のブランドは共同石油。伊東ゆかりの「♪心のかようおつきあい共同石油」のCMソングが当時のラジオでよく流れていた。次にJOMO、さらにENEOSと名前が変わっていって一昨年廃業した。
ガソリンスタンドは数が減ってきて、いつ潰れるか分からないので地図の目印にもならなくなっている。石油元売り会社の統合・合併が進み、今あるブランドは大手5社にしぼられたようである。
2050年にはガソリン車はすべて電気自動車に入れ替わってしまうという話しであるが、ガソリンではなく充電スタンド(スポット)があちこちに出来ても、電気にブランドがある訳でもないので道路上の目印としてはいま一つインパクトに欠けそうである。テレビのコマーシャルもあまりされないだろう。小川ローザが「Oh!モーレツ」と叫んで話題となった丸善ガソリンのCMが無性に懐かしく思い出される。
嫌われて走るほかないガソリン車 博史