衝撃のコーラ-私の場合-
川柳作家 三上 博史
人生で初めて飲んだコーラの味を振り返って語る文人は多い。川柳でもこれを題材にした作品はいくつもある。戦後に登場して広く大衆に愛されるようになった飲み物の典型がコーラであったろう。
私の場合は、普通の人たちとはかなり異なった。今でも初めて口にした時のことをしっかり憶えている。小学校の高学年になった頃、何かの集まりがあって友だち数名とある裕福な家を訪れた。ご主人は会社の社長さんで、数年前に東京から引っ越してきた中年夫婦の家庭である。
奥さんは上品そうで、さすが東京から来た人という感じだった。用件が済んでお菓子と飲み物を出してもてなしてくれた。お菓子の記憶はもうなくなっているが、飲み物の方はコーラだったのである。瓶入りを人数分とコップをお盆に載せて持って来た。
一人が「わっ、コーラだ!」と声を上げた。私には未知のものだった。『何、この黒ずんだものは…』と密かに思った。一人ひとりに注がれて、私以外はみんなおいしそうに飲み干した。私は一口飲んで再び『何、この味は…』と、その薬臭さと炭酸の強さに閉口した。
テレビでは既にコーラのコマーシャルが頻繁に流れていた。正直に申せば、地味な家庭に生まれ育ってコーラの味を知らなかった自分が恥ずかしくなった。それからは何とか飲めるよう、おいしく飲んでいる振りを見せながら、徐々に舌と喉を鍛えていった。
思春期の脱け殻になるコーラ瓶
博史
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使いで行った酒屋さん。枡酒を楽しむ飲み助連の試飲のお零れを一口。三ツ矢サイダーとは別物で、まるで薬物。こりゃ流行らないな、一同の感想でした。
良一さん、コメントありがとうございます。
その後は好きになりましたか?