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小さい子供たちは「うんち・おしっこ」が大好き!
声に出して、ゲラゲラ笑い合っています。

大人は顔をしかめて

「そんなこと言うのは止めなさい!」

「恥ずかしいから止めて!」
などと、叱ったりします。

僕はずーっと不思議に思っていました。
「うんち・おしっこ」が面白いなんて、誰も教えていない。

それに大人は必ず制止します。そんなこと言うなと言います。

でも、子供たちはある時期を境に「うんち・おしっこ」を発して笑います。

ゲラゲラ、ゲラゲラ・・・

 

保育や幼児教育の現場。
0歳、1歳は「うんち・おしっこ」で笑いません。

おしめ替えの際、保育士や先生は
「いいうんちが出たね」「きれいにしようね」と話しかけます。

否定的な言葉は使いません。

身体の状態が現れるので、確認して子供たちをケアします。

「うんち・おしっこ」に笑いの要素なんて全くありません。

2歳から3歳にかけて、トイレトレーニングが始まります。
おしっこがしたくなったら「先生おしっこ!」
一日のサイクルに合わせて、保育士がおトイレに座ってごらんと促して、排便が出来るようになります。

自分で拭くことは未だ出来ません。

「先生トイレ行ってきます!」と言えるようになり、「ウンチ出た!」と報告し
先生に拭いてもらう段階を過ぎ、一人でトイレに行ってちゃんと拭いて帰って来れるようになる。

早い子だと3歳の初め、4歳になるとほぼ皆が出来るようになります。

この「自分で行って始末して帰って来られるようになる」タイミングで「うんち・おしっこ」でゲラゲラが始まります。
もちろん、大人は誰も教えていません。親だって教えていません。

どうしてでしょう?
これ、何年も考えていました。その過程で「笑い」についてもずーっと考えてきました。

 

笑いが起こる状況の一つに「緊張からの緩和」が存在します。
これは原始的な笑いなのですが、生命、身体に対する危機を覚えた時、人間の体は硬直します。

訪れるであろう危機が訪れなかったとき、その緊張がほぐれます。

この硬直からの脱力が「笑み」に繋がります。
論理として面白いからではなく、筋肉の弛緩による身体の「微笑み的状況」が脳を騙して「笑み」を生むわけです。

幼時が「自分で行って始末して帰って来られるようになる」ことは、乳児時代から、人の世話になりながら排泄の処理をして貰っていた安穏な時代に比べて、緊張の度合いが変わって来るのです。

便器に座り、ドアを閉め、外界と遮断された中で排泄をし、誰も助けてくれない中で自分一人で始末をし、ドアを開け、日常に戻る。
この流れにおける「緊張からの緩和」が「笑み」に繋がるのではないか?

その先に「うんち・おしっこ」の笑いが原初的に発生してしまうのではないか?
故に、誰も教えない、むしろ止めているにも拘らず、子供たちの中から「うんち・おしっこ」の笑いが自然に湧いてくるのではないか?

僕はそう結論付けました。

おそらく、この笑いを最初に世の中に披露したのは、100万年、いや150万年というスケールの昔、
サピエンスになったかならないかの時代の誰かでしょう。

草原における排泄は、その臭いによって肉食動物に発見される確率を高めてしまうので、人類の群れにとってはリスクが高いと同時にセンシティブな行為だったでしょう。

誰かがいきなりブリッ!と出した!
群に緊張が走る!
幸いに肉食獣が来なかった。
群の緊張が一気にほぐれる。これが笑いに繋がる。

おそらく人類初のお笑い芸人は、いきなり「うんち・おしっこ」をすることをネタとしていたのでしょう。

 

下ネタを下品というのは簡単ですが、本当は「下品」ではなくて「手あかがつき過ぎている」だけなのかもしれません。
僕は、笑わせよう、楽しんでもらおう、という意志を否定することは良いこととは思っていません。
しかし、百数十万年前から人間を笑わせてきたネタを、現代の川柳で使っても通用しないです。
その表現は駄目なのではなくて、通用しない、使い古され過ぎているのです。

僕が選評で「ダメ」という言葉を使わないのは、こういう感覚を伝えたいからなんです。

「ダメ」ではないのです「使い古されている」場合があるのです。

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