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 齢を重ねてきて、我ながら何につけ遅刻はしなくなったなぁとしみじみ感じている。どうしてだろうと考えてみると、慌てることが嫌になったからであると気づく。高血圧ではあるが、今のところ心臓に大きな持病がある訳ではない。しかし遅刻しそうなハラハラドキドキ感を起こさせる事態はなるべく避けたいのである。焦りや緊張感は老いていく心身の健康にあまりよくない。
 電車へ乗るにも、車でどこかへ出かけるにも前もって時間に充分な余裕を持たせるようにしている。何かの準備をするにも直前に取りかかるのではなく、数日前から少しずつ作業を進めたり、準備前に少しずつ気がついたことを随時メモ用紙へ書き留めたりするようになった。とにかく慌てないように心がける。
 若い時分は、駅のホームで電車を待つ時間が長いと少し損した気になったものである。今は何とも思わない。スマホを弄ったり、何か一句詠めないかと考えたりして早めに来た時間を潰している。
 物事に取りかかるにしても、なるべく一呼吸を置くようにしている。例えば、誰かにちょっと長いメールを送るような時には、文章を打ち込んですぐには送信しない。一晩下書き保存してから翌日に改めて読み直し、一応推敲して問題なしと判断してからクリックする。これはメールを送るうえでほぼ習慣になっている。
 何かの集まりでも遅刻はほとんどしない。もしそういう行動をとったらそれは意図的なところがある。つまり、あまり乗り気ではないので確信犯みたいなことをした訳である。
 そんなこんなで、いろいろな段取りに対して、なるべく時間をかけるようになった。仕事を持っていない年金生活者のメリットを活かす。ものを考える時間はたっぷりある。物事はじっくり時間をかけて実行する。これで結果的に損したことはあまりない。こういうライフスタイルで好々爺みたいになっていくのだろうか。

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