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 子供の頃、休日に家族でよく宇都宮へ電車に乗って出かけ、デパート巡りをしながら買い物をした。昭和30年、40年代の宇都宮にはデパートがいくつもあって、どこも賑わっていた。お昼になると、どこかのデパートの食堂に入る。これが一番の楽しみ。うどん・そばやラーメンなどの麺類、カレーや丼物など、一般的なメニューだったが、当時の我が家で食べるものとは確実に一味違っていた。当時のメニューは100円以下のものも結構多くて、それ以上する値段の料理は高級に思えた。
 ある時、母親と二人だけの買い物で宇都宮に出かけ、予定どおりお昼にあるデパートの食堂へ入った。いつもなら鳴門巻やシナチクの入った醤油味の中華そば(これがラーメンの中では一番安い)を食べるのだが、今回は奮発してタンメンを注文した。母親が珍しくそれを許してくれたのである。
 ところがタンメンとはどういうものか知らずに頼んだので、塩味の味付けにびっくりしてしまい、初めてのタンメンを子供の舌は受け付けることが出来なかった。何とか食べ始めてみたが、なかなか箸が進まず、とうとう断念して残してしまった。
 母はせっかく頼んだ料理を残してしまうのは勿体なくて、残したタンメンを無理して食べていた。そんな光景を今でも記憶している。
 さて、それから数十年経って群馬の高崎のデパートへ行くことがあった。県外の大学を卒業して栃木に戻って就職していた娘が、そこでしか売っていない化粧品を買いに行くというので付き合い、わざわざ高速道路を使って出かけたのである。誰でも知っている大手の有名なデパートだった。買い物が終わってお昼の食事をしようと館内を回って探していところ、見つけたのが何と懐かしいデパート直営の食堂だったのである。今時珍しいなぁと思いながらメニューを見ると、麺類、丼物、パスタなどなどすべてが揃っている。昔風のお子様ランチもあった。昭和時代の私の子供時分にタイムスリップしたような感覚になってしまった。デパートでの一番の楽しみにまた出合えたのである。



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