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 92歳の老母との二人暮らしをしている。老母は転倒による背骨の圧迫骨折に何度もなって、寝ているだけしか治療方法がない状態を繰り返しているが、その度に頑張って治そうと努力して回復している。それ以外の病気は一応今のところはなく、通院もしていない。薬も飲んでいない。
 老母の生きがいは家事である。少しずつ出来なくなってきたが、とにかく気力だけはあるので、何とかやろうと頑張る。洗濯物を干したり取り込んで畳んだり、簡単な料理をしたり食器を洗ったりは日々やっている。
 老母の楽しみの一つが、タブレット端末iPadのiCloudの動画や写真を眺めることである。遠方に暮らす曾孫娘(2歳8か月)が写っているそれらを観ることが楽しみで日課のようになっている。同じものを繰り返し飽きもせず観る。ビデオ通話のFaceTimeも偶にやって、リモートで曾孫娘の話し相手をして喜んでいる。
 私の方は60歳で定年退職をして年金暮らしの無職。老母が圧迫骨折で寝ていても「毎日が日曜日」状態なので、看病や介護みたいなことをするのはほとんど億劫ではない。自分のスケジュールが駄目になっても、それはそれで諦めている。長い旅行も無理だがこれも仕方がないと既に観念している。
 老母とのこのような暮らしも3年半になるが、振り返っていつも思うのは、無職だからほとんどストレスにならず老母の面倒を見られるのだということである。現役だったら、仕事とのジレンマに必ず陥り、溜まったストレスを爆発して、老母と厄介な関係になっていたかもしれない。ぞっとする話しである。無職でよかった。細々とした年金暮らしでよかった。しみじみそう思っている。
 この先老母は要介護の状態になるかもしれないが、その時はその時と覚悟をしているつもりである。なお、当人は介護されること、周りから優しくされることをあまり喜んではいない。

 



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