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 今年の4月初旬、昼寝した後のいつものサイクリング中、偶に立ち寄ることがあるディスカウントショップに思いつきで入ってみた。出入り口で特売のスポーツドリンクのペットボトルが並んでいた。値段を見ると、2ℓ入りで確か40円ぐらいだったか。賞味期限が間近なのでこんな破格の金額になっているのだろう。私は賞味も消費も期限はあまり気にしない方なので、思わず手が伸びて買おうとした。何本にするか、少し迷った。1年前の暑さの思い出が甦ったのである。
 去年は夏が近づく頃、近くのスーパーで2ℓサイズを4本買ったことをはっきり記憶している。いよいよ夏が来て飲み始める際には、スポーツドリンクの2ℓに対して1ℓの水(煮沸して冷ましたもの)を混ぜ、1.5倍に薄めるようにしている。合計3ℓになったものを2つのペットボトルに分け、冷蔵庫で冷やして1週間程度で飲み切る。水で薄めないで飲むと、味が濃く感じられる所為か少しずつ飽きてくるのである。日中や風呂上がりに飲むが、その程度の薄さが私の体には丁度いい。
 ところで昨年(一昨年もそうだったか)の暑さは10月頃までハンパなく続いた。9月初旬にはペットボトルの在庫がなくなってしまった。どうせこれから涼しくなるだろうと、追加で買い求めることはしなかった。しかし暑さはしぶとく続いたのである。仕方なく風呂上がりは年中作り置きしている麦茶で喉を満足させたことを憶えている。そんな経験があったので、ひと夏に飲むスポーツドリンクは2ℓの4本では足りない、来年からはもっと増やそうということを学習した次第なのである。
 話しを戻すと、件のディスカウント店での安売りスポーツドリンクの購入本数は4本ではなく6本に増やした。そして7月半ば頃には梅雨も明け、予想したとおりの暑い夏がやって来た。各地で豪雨に見舞われ大変な被害となったが、9月にかけて暑い日が続いたのは断続的だった。関東地方では例年、埼玉県の熊谷市や栃木県の佐野市、群馬県の桐生市などが猛暑日になるとニュースで必ず報じられるが、今年はあまりそのような話題は出なかったような気がする。もちろん西日本では、今年から気象用語として登場した酷暑日が何度かあったようだが、少なくとも関東の今年の夏は、暑さよりとにかく雨が多かった。そんな印象である。
 私の家には神棚があり、毎月朔日に榊を新しいものに取り換える。亡父がやっていたことを受け継いでいるだけだが、例年8月は白い陶製の榊立に生けた榊の葉が必ず枯れてしまう。もちろん暑さの所為である。ところが今年はどうか。全く枯れようとしなかった。それほどの暑さはなかったのである。
 さて、スポーツドリンクの購入本数や神棚の榊の枯れ具合を持ち出してきて、何が言いたかったのか。今年の8月は例年より涼しかった。気象庁もそのように報じている。台風や豪雨が日本に来ると、天気のニュースではモンスーンジャイアという専門用語が頻りに登場した。この現象は大変変勉強になったが、今年の夏の涼しさについては、事前に想定されなかったようである。
 4月のディスカウント店では、買い求めた6本のスポーツドリンク(2ℓ×6本=12ℓ)を自転車の前と後ろのカゴ(私のママチャリは後ろにもカゴが付いている)に積み込んだが、重たい物を載せて自宅へ帰る道すがら『ここ数年猛暑が続いているが、今年あたりは涼しい夏になるのではないか』という根拠のない予感が私の脳裡を過ったのである。そしてそれが何と的中した。
 6本は多過ぎた。日々薄めたスポーツドリンクを飲み続けたが、去年より多く買った2本は9月に入って涼しい秋(と言っても雨ばかり続いたが)となった中で、しっかり持て余されていた。しかし勿体ないので、虫が鳴く夜の風呂上がりに飲み続けた。
 来年はどうするか。元に戻っていつもの暑い夏になると予想して、やはり6本を買い求めるか。まっ、安売りが出ていればの話しではあるが…。

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