
川柳きやり吟社11月句会に参加~楽しい川柳句会のひととき~
11月7日(土)、台東区民会館8階会議室にて、川柳きやり吟社の11月句会が開催されました。午後1時に始まり、会場参加者29名、投句参加者23名の合計52名が作品を寄せる句会となりました。会場のホワイトボードには、課題と選者の名前を記した札が並びました。同じ課題から、どのような発想や人間模様が生まれるのでしょうか。この課題を眺めるだけでも、句会ならではの期待が膨らみます。
今回の課題と選者は、次の皆さんです。
| 課題 | 選者 |
|---|---|
| 分ける | 安藤波瑠氏 |
| わずか | 米島暁子氏 |
| 笑い話 | 黒崎和夫氏 |
| わざわざ | 清水廉子氏 |
| 話題 | 三上武彦氏 |
| 訳あり(席題) | 林俊雄氏 |
いずれも暮らしに身近な言葉ですが、それだけに作者の着眼や表現の工夫が問われます。同じ言葉から、人情をすくう句、世相を捉える句、思わず頬が緩む句が生まれます。互いの発想に触れ、自分では気づかなかった言葉の広がりを知ることも、句会に参加する楽しみの一つです。
川柳きやり吟社の歩みは、大正9年(1920年)4月1日に始まります。創立の中心となったのは、川柳六大家の一人に数えられる村田周魚です。水島不老、八十島可喜津とともに吟社を興し、柳誌『川柳きやり』を創刊しました。周魚が大切にしたのは、日常茶飯の中にある人間の真実を、難しい言葉に頼らず表現することでした。身近な出来事に目を凝らし、そこに人の可笑しみや哀しみ、温かさを見つける。その作句姿勢が、吟社の土台となっています。創立から106年を経た現在は、安藤波瑠主幹のもと、定型と日常の素材を大切にする活動が続いています。大正、昭和、平成、令和と時代が移り、暮らしの姿が変わっても、人間を見つめる川柳の眼差しは、毎月の句会や句誌へと受け継がれています。
さて、今月の句会で柳山の句は、三才の天位1句、五客3句、秀句3句の計7句が入選致しました。選者の皆様に心より御礼申し上げます。
なかでも安藤波瑠主幹の選による「分ける」で幸いにも天位を頂き大きな励みとなりました。「握り飯を分け合う」というささやかな行為には、空腹を満たすだけでなく、人と人との心を結び、もうひと頑張りする力を生む温かさを表現しました。また「夫婦の記憶の食い違い」や「噂話の可笑しさ」、「物価高に耐える暮らし」の実感など、今回も身近な題材からの創句を楽しみました。これからも日常茶飯の小さな発見を大切に、笑いと人情のある一句を目指していきたいと思います。
《渡辺柳山 入選句》
課題「分ける」 安藤波瑠氏選
【天位】分け合った握り飯から湧く力
課題「わずか」 米島暁子氏選
【秀句】年金も必死に耐える物価高
課題「笑い話」 黒崎和夫氏選
【五客】プロポーズ妻の記憶と食い違う
課題「笑い話」 黒崎和夫氏選
【秀句】失敗も笑い話にする余裕
課題「話題」 三上武彦氏選
【五客】あの人の噂話に紅を引く
課題「話題」 三上武彦氏選
【秀句】本人が知らぬ話は盛り上がる
課題「訳あり」 林俊雄氏選
【五客】訳ありの笑顔で妻が酒を注ぐ
柳山
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