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安田講堂に全国の川柳の輪が広がる日へ

―第50回全日本川柳東京大会の会場下見会に参加して―

10月26日(月)午前11時より、来年2027年5月30日に開催される「第50回全日本川柳東京大会」の会場となる、東京大学安田講堂の関係者下見会に参加しました。大会の主催は、一般社団法人全日本川柳協会です。全国の柳友が集う記念すべき第50回大会。その舞台となる安田講堂を訪ね、大会当日の様子を思い描きながら、担当職員の方より会場内の設備をご案内頂きました。

3階のメイン会場は728席、4階のフロア席は408席で、合計1,136席です。広がる客席を見渡すと、ここに全国から川柳を愛する皆さんが集い、披講される一句一句に笑いや拍手が湧く光景が浮かんできます。

今回の下見会では、舞台設営や入賞句のスクリーンへの投影設備をはじめ、課題を掲示する「書き垂れ」の電動装置などを確認しました。披講を聞き、作品を目で味わう時間を、参加者の皆さんに気持ちよく楽しんでいただくためには、こうした準備が欠かせません。大会を支える設備を実際に確かめる、貴重な機会となりました。

安田講堂は、正式には「東京大学大講堂」といい、実業家・安田善次郎の寄付によって建設され、1925年に竣工しました。その寄贈者の名前をとって「安田講堂」と呼ばれています。時計塔を中央に据えた赤茶色の外観は、東京大学を象徴する姿として広く親しまれています。1996年には、国の登録有形文化財に登録されました。

設計を担ったのは、建築家・建築学者の内田祥三と岸田日出刀です。内田が基本設計を行い、岸田が設計に参画しました。内田は関東大震災後の東京大学の復興に大きな役割を果たし、後に総長も務めています。重厚な外観に対し、内部には曲線や幾何学模様を生かした意匠が見られ、岸田の感性もうかがえます。今回の写真に写る美しい天井や、緩やかな弧を描く客席にも、思わず目を奪われます。全国から集まる川柳愛好家がこの美しい設計の安田講堂で一堂に会し選者の披講と呼名が響き渡る様子を想うと期待が膨らみます。

一方、安田講堂の歴史を語るとき、忘れることのできない出来事が「1969年の安田講堂事件」です。医学部の研修医問題などを発端に広がった東大紛争の中で、学生たちが講堂を占拠し、1969年1月18日から19日にかけて、封鎖解除のために導入された警視庁機動隊との激しい衝突が起きました。安田講堂は、戦後日本の学生運動を象徴する場所の一つとなったのです。この事件により、1969年度の東大入試は中止となっています。その後、長い閉鎖期間と改修を経て、1991年には卒業式が再開されました。さらに2013年から2014年にかけて、耐震化や防災機能の強化、バリアフリー対応などの全面改修も行われています。歴史ある建物を守りながら、次の時代へ受け継ぐ努力が重ねられてきました。

学問の歩みと激動の時代を見つめてきた安田講堂に、今度は川柳の言葉が響きます。人間の喜怒哀楽を十七音に託し、ともに笑い、ともに考える。そんな川柳の豊かさを、この場所で全国の皆さんと分かち合えることを楽しみにしています。

第50回という節目にふさわしい、心に残る大会にしたいと思います。2027年5月30日の第50回全日本川柳東京大会が成功裏に終わるよう、関東一円の各吟社の協力を得て、関係者一同、全力で準備にあたってまいります。私もその一員として頑張ります。全国の柳友の皆さんと、安田講堂でお会いできる日を心待ちにしています。

柳山

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“第50回全日本川柳東京大会開催まであと7か月~会場となる安田講堂・下見会参加~”にコメントをどうぞ

  1. 江畑 哲男 on 2026年10月27日 at 8:46 PM :

    雨の中の下見、お疲れさまでした。内容がよく伝わる、丁寧なレポートですね。有り難うございます。東京大会の大成功に向けて、どうぞよろしくお願いいたします。

    • 渡辺柳山 on 2026年10月27日 at 10:12 PM :

      江畑哲男様

      全日本川柳東京大会の会場としては最高ですね。収容設備及び地下鉄やバス路線など交通の便利さもいいですね。何より安田講堂そのものの設計の美しさは見事です。全国の川柳愛好が集い交流を深めるにはこれ以上の会場はないかも知れません。選ばれた句が披講され大講堂に響き、その句が映像に映し出されて紹介される情景を思い浮かべるだけでも胸がわくわくします。全日本川柳協会及び川柳文化振興会そして東京大会実行委員会及び関東各吟社の一致団結したチームワークと協力が不可欠ですね。私もその一員として微力ながら頑張ります。柳山

  2. 入り江わに on 2026年10月27日 at 9:44 PM :

    下見お疲れさまでした。

    こちらに失礼します。
    11月号の川柳マガジン柳界ポスト拝読しました。
    お話ししたいことがあるんですが柳界ポストの字数内では難しいのです。
    こちらのブログもメッセージ機能がないのでコメントさせていただきました。
    とはいえ無関係なコメントは失礼だと思いますし…。

    考えあぐねております。

    • 渡辺柳山 on 2026年10月27日 at 10:20 PM :

      入り江わに様

      川柳マガジン柳界ポストをお読み頂きありがとうございます。
      川柳界も高齢化による句会の閉鎖などいろいろと改善すべき問題点も多数あります。
      特に若手川柳家がもっと増えて活性化が必要です。会の運営を担う世代が高齢化していて動けなくなっている句会も数多くあります。ひとりひとりが川柳界の将来を考えて身近なところから改善に着手していく必要があると思います。

      柳山

      • 入り江わに on 2026年10月27日 at 10:59 PM :

        こちらでよろしいでしょうか?

        学校の出張授業は難しいかと思われます。
        ギチギチのカリキュラムの中に入らないのです。
        そして「授業」はおそらく川柳嫌いの生徒を作ってしまいます。同僚に俳人として有名な方がいて授業で俳句を取り上げていたのですが、生徒の評判がひどかったです。曰く、受験に役立たんことを無理やりやらされて面白くもなんともない、と。育つ生徒は三年間でひとり程度。ひとりを育てるために全員に履修させるわけにはいかないのです。

        他のアプローチでないと学校に入るのは難しいかと。

        • 渡辺柳山 on 2026年10月28日 at 10:01 AM :

          入り江わに様

          コメント有難うございます。高校のカリキュラムに入れるとなると難しい問題がありそうですね。特に受験に関係ないことをやらされるという意見もでるでしょうね。また基本的に誰がどのように指導するのかという基本的な問題もあります。教える側に短歌、俳句、川柳の素養がないと指導は難しいですね。いずれにしても高校生時代に短歌、俳句、川柳に触れる時間を設けて自然に川柳も親しめる環境を創ることですね。

          • 入り江わに on 2026年10月28日 at 10:29 AM :

            記事とは関係の無いコメントを続けてしまって申し訳ありません。
            柳山先生は「川柳少女」という漫画をご存じでしょうか?アニメ化もされた作品です。
            また、今週の週刊少年ジャンプでは「さむわんへるつ」という漫画に川柳が取り上げられています。ラジオの川柳コーナーの話です。
            若い人が川柳に触れる機会がないわけではないのです。
            私が考えているのは、テレビ番組にならないだろうか?ということです。フジテレビ系の「新しいカギ」という番組は高校を舞台に展開しているバラエティで、大喜利のコーナーがあります。そういう話だと請け負う学校が多いので!
            「新しいカギ」はパクリたい他テレビ局も多いと思うので、まずは深夜放送で試しに「先生対生徒」の川柳対決をやってみたら面白いのではないかと。生徒の方が人数が多いし、先生側に川柳が上手い人がいるとは限らないので、かなりいい勝負になると思います。そういう企画のアイディアってどこにどうやって出せばいいのでしょう…

  3. 信ちゃん on 2026年10月28日 at 5:18 AM :

    いや~~日本の最高学府の安田講堂での川柳大会、考えただけでもゾクゾクしてきました。
    山梨県からも多勢が参加をするように、声かけをしています。
    「東大に入った事がある」⇒山梨では語り草になるかも知れません。
    私も研さんして・・安田講堂の壇上での表彰を受ければ、小林家代々の先祖も喜ぶでしょう~。
    *金丸信・・方式で「金」で壇上なら・・考えまっせ* へっへっへ。

    • 渡辺柳山 on 2026年10月28日 at 10:08 AM :

      信ちゃんへ

      川柳の全国大会の会場としては最高の舞台ですね。是非天位の表彰を壇上で受けてください。
      過日は誌上大会の選者(課題「まさか」)をありがとうございました。お陰様で日本全国から300名を超える方の参加を頂きました。

      柳山

  4. 渡辺柳山 on 2026年10月28日 at 8:43 PM :

    入り江わに様

    「川柳少女」「さむわんへるつ」面白そうですね。漫画の世界で川柳が取り上げられていることを知りませんでした。機会を見て読んでみます。川柳を取り上げたテレビ番組の企画面白いですね。俳句が「プレバト」で夏井いつきさんが一気に俳句愛好家を増やしましたので、川柳もこのような企画で、世代を超えて沢山の愛好家を増やせるといいですね。番組プロデュース会社に企画を持ち込んでみると面白いと思います。 

    柳山

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