またまた川柳の話題でなくて恐縮である。
私は山菜や野草を採って食べるのが好きだ。
人間を採って食うよりも好きである。
今の時季のお目当ては「ひょう」。
正式には「スベリヒユ」という野草だ。

その辺の空き地に、いくらでも生えている。
アスファルトの隙間や砂利場、できたばかりの空き地など、他の植物なら音を上げそうな、暑くて水気の少ない場所がお好みらしい。なかなか健気な植物なのだ。

山形で「ひょう」と呼ばれてよく食べられているのは、上杉鷹山公が救荒植物の一つとして推奨したためである。私も山形の知人に教えられて、初めて食べられることを知った。
ところが、このスベリヒユ、ただの雑草ではない。
栄養価が高く、植物としては珍しくEPAを含み、ビタミンや鉄分、ポリフェノールなども豊富。抗酸化作用や抗炎症作用も期待され、海外ではスーパーフードとして注目されているらしい。
そこらの空き地に、そんなものがタダで生えているのである。
見た目は雑草なのに中身はスーパーフード。
おれみたい(笑)。
食べ方も簡単だ。
よく洗って、さっと一分ほど茹で、ざっくり刻む。
すると、メカブやアカモクのような粘りが出てくる。
酢醤油、酢味噌で食べるとさっぱりしてうまい。
ユズなどの柑橘を加えてもいい。お茶漬けにも合う。

ポリフェノール由来なのか、少し酸味がある。それなのに、ちゃんとうまい。この「野草なのに食べられる」どころか「野草なのにうまい」というところが、私にはたまらない。
大量に採ったときは、煮てからアコーディオンの生徒にお裾分けしたりもする。
山形では、冬場の野菜が少ない時期に備えて干して保存し、煮物などにもするという。昔の人の知恵はたいしたものである。
さて、我が宮城ではどうか。
誰も採らない。
誰も食べない。
それどころか、ただの雑草と思われているから、ご丁寧に群落に除草剤まで撒かれている。
タダで生えているスーパーフードに、わざわざお金を払って毒を撒いて駆除している。
無知とは、なんとも贅沢なものである。
もっとも、偉そうなことは言えない。
私自身、スベリヒユが食べられると知ったのは、ほんの昨年のことなのだから。
現役時代は、山菜や野草をじっくり観察する暇などなかった。退職して時間ができ、ようやく道端の植物が目に入るようになった。
するとどうだ。
今まで「雑草」と一括りにしていたものの中に、食べられるものがある。薬になるものがある。昔の人が大切にしてきたものがある。
世界が少し広がった気がする。
なかでも、暑さにも乾燥にも負けず、踏まれてもめげず、そこらの隙間で生きているスベリヒユには、妙な親近感を覚える。
一所懸命で、栄養があって、しかもうまい。
家族にしたいくらいである。
ただし、注意点が一つ。
スベリヒユは、有毒なコニシキソウと生える場所や姿が少し似ている。野草は「たぶんこれ」で食べてはいけない。図鑑や信頼できる情報で、きちんと確認しよう。
そして、もう一つ。
これは我が家だけの注意事項である。
我が家人は、食べない・・・
決め手には赤い糸より粘る糸 木立時雨
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スベリヒユ、先日、生まれて初めて食べました。
月に1度のお寺の坐禅会、坐禅が終わってから粥を頂戴するのですが、メンバーの幾人かが、お漬物などを差し入れてくれて、頂戴しています。
7月の会で、仲間のFが持ってきてくれたのが「スベリヒユのおしたし」でした。Fが「どこにでも生えている野草の割にはうまい」と言うように、美味しかったです。野草なのに栄養があって美味しいって、凄いですね!
コメントありがとうございます。
そうなんです、どこにでも生えてて、美味しくてかつ栄養がある物なんてなかなかお目にかかれない。戦時中や戦後の物不足のときも食べてたようですが、飽食の時代に忘れ去られたのが残念です。
戦争もスベリヒユも忘れて我々は何をしてるんでしょうね。もっと賢く生きなければと思います。