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 膝への負担を軽減するために、日々やっている散歩をサイクリングへ少しシフトするようにした。愛車はいわゆるママチャリ。スーパーへの買い物でいつも使っているものである。
 住んでいるところが平地の田舎なので、街中を少し抜ければ、どっちを向いてもどこまで走っても田園地帯。川堤の長いサイクリングコースもある。その日の気まぐれな考えで方角を決め、昼下がりにペダルを漕ぐ。風に向き合うといつも気持ちがいい。
 そして、農道などの車がなるべく走らないところを選ぶようにしている。車が激しく通る大きな道路は、たとえ自転車専用レーンがあっても大型トラックやダンプカーの轟音が前から後ろから迫って来て落ち着かない。恐怖すら感じる。
 川堤のコースも風がよく吹いていて夏場は涼しい。青大将などのヘビたちに出遭うこともしばしばあるが、大抵はヘビの方が素直に逃げてくれる。今年の夏は短パンにサンダル履きのスタイルだったので、膝から下はしっかり日焼けした。
 サイクリングの楽しみは、自分が子供の頃に通ったことがある道を久しぶりに走り、懐かしい出合いが出来ることである。すっかり忘れていた旧跡などに辿り着くと記憶がみるみる甦り一人感慨無量となる。ここは小学校の時に遠足で来たところだ!などと発見の旅にもなっている。
 ところがこんなことを昼間からやっている呑気な物好きはあまりいないので、しっかり他人に見られてしまう。先日も初盆で親戚の家に行ったが、そこの従弟に自転車姿をしっかり見られていたことが分かった。従弟は車の運転の仕事をしているのだが、こんな田舎道に何で自転車を漕いでいる親戚がいるのだと多分驚いているようだったのである。私もいい年である。そう言われても平気。恥も外聞ももうとっくに捨てているのは確かである。
 高校生の頃、加藤和彦を中心に結成されたサディスティックミカバンドのデビュー曲「サイクリング・ブギ」がヒットしていた。真っ赤なジャケットのドーナツ盤は私も買った。確か今でも押入れのどこかに仕舞い込まれているはずだ。あの軽快なリズムが堪らない。そして私の自転車もいつも軽快に車輪が回っている。

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