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 サイネリアというキク科の植物がある。花屋なとで鉢植えになって売られている。これは「シネラリア」と呼ぶのが本来正しいのであるが、「シネ…」が「死ね…」を連想するので、商品としては「サイネリア」という名称に読み直して流通している。私としては、この名前を聞くたびに何故かファミレスの「サイゼリア」を連想してしまう(笑)。
 自動車メーカーのスズキは、ハンドル形電動いすも製造販売していて「セニアカー」という商品名である。広告などでこの名称は頻々に目にするが、「セニア」は「シニア」のことを指しているいるのだろう。「シニア」はやはり「死にあ」と連想するから、売る方はこれを回避するためにローマ字読みにしたのだろうと私は推測している。
 サイネリアの方は、かなり以前に何かの時に偶然雑学として知った。まだインターネットなどが普及していなかった頃のことである。今ではWikipediaで調べればすぐ分かることである。セニアカーの方は、それよりずっと後のことであるが、私なりに発見して一人で納得したものである。もちろんそれが真実なのかは今でも断定できない。メーカーにわざわざ問い合わせるほどでもないと考えているからである(笑)。
 私は語源を調べることが好きである。学生時代には、国語学者が書いた言葉の由来を記した本を何冊も読んだ記憶がある。英単語なども語源から憶えようと大きめの英和辞典を買って、これはラテン語に由来する、これはスカンジナビア語から来ているなどと学んで自分なりの暗記法にしていた。
 今は便利な世の中で、スマホ一つで何でも分かってしまう。しかしこれの危ういところは、すぐに検索して調べてもその答えをすぐに忘れてしまうことだ。ある事柄について何故だろうと疑問を持つ。それを自分の頭の中にしばらく溜めておいて、ある時何かのきっかけで調べ始めてようやく分かった時の感動というものは、何とも云えない自分だけの満足した世界の出来事となる。さきほどの「セニアカー」なども、何故「シニアカー」ではないのかという疑問からしばし時間が経過して自分なりの結論を得たものである。
 「Yahoo!知恵袋」や「教えて!goo」などのサイトを使えば、世の中の分からないことの大方は解決出来る。しかし、この便利さが安直な発想や思考を生んでしまう危険性をあまり指摘する者はいない。物事を知るまでには頭の中の疑問が時間によって熟される必要がある。熟されてようやく謎が解け、そこから得られた知識は記憶にきちんと貯蔵される。
 学校の教科書が紙媒体からタブレット端末に変わりそうなデジタル社会なのだから仕方のないことかもしれないが、何につけ安上がりに問題を解決しようとする時代の行末はどうなってしまうのだろう。年齢的にもう時代に追いついていけないことは重々承知しているが、何か恐ろしい気もしてくる。世の中は辛抱の足りない人間に満ち溢れているのではないか。

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