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 以前「忘れていた自作・思い出せない自作 | 三上博史ブログ (shinyokan.jp)2023年6月15日」を書いた。これに関連する経験をしたので追記したい。
 「川柳の神様Ⅲ」が上梓されたが、鑑賞させていただいた作品の作者には拙著を1冊贈呈することになっている。これはあとがきに書いた。Ⅰ・Ⅱの時も同じようにした。引用した掲出句の作品数は120句、川柳マガジン年鑑などを参考にして住所の判明できた作者の方は今回40数名いた。6月中旬に早速該当者宛てに郵送した。
 その後お礼の手紙やはがきなどが届いたが、かつて詠んだ古い自作を目にして懐かしさを感じた方が多かったようである。このシリーズは、もともと現役時代、職場の内部向け広報誌に平成6年から毎月連載していたものを大幅に加筆訂正して編集し直したものである。作品の発表時期は、古くは昭和61年頃まで遡ることができる。つまり、今から40年近く前のものもある訳である。
 鑑賞された作者の立場としては、あまりの古さに驚いた方もいるようだった。しかし、いただいた手紙やはがきの文面を読む限り、古いので自作としては思い出せないという人はいなかったようである。何からかの記憶が甦り、確かに自分の作品だと気づいた方がほとんどだった。
 それが素直に嬉しかった。一生懸命に作品を読み込んで鑑賞文を書かせていただく。私としては、作品には作者のそれなりの思い入れがあったと受け止めている。引用された自作を改めて読み直してみて、全く記憶にない作品です、などときっぱり言われてしまったら、秀句として鑑賞した私の方はがっかりしてしまう。
 今回拙著を贈呈し、作品を介して作者と鑑賞者(著者)のつながりが生まれたケースがいくつもあった。その一つを紹介する。
 お礼の手紙の中に、川マガなどで大活躍されている女流作家のものがあった。お名前を出せば、おそらくかなりの方が存じているのではないか。現在、辛い闘病生活を続けられているそうである。自作を目にしてから拙著を貪るようにして読み進め、読み終えてから思わず本を抱きしめたというのである。この手紙には感動した。一刻も早く快癒され、再び素晴らしい川柳を詠んでもらいたいと心から願っている。
 作品との素晴らしい出合いがさらに作者との素晴らしい出会いを生んでくれたような気がした。何度も校正してようやく出来上がった、その甲斐があったと改めてしみじみ感じている。

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