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 だいぶ前の記憶であるが、何かの雑誌に、フランスでは定年になって無職となることは決して恥ずかしいことではなく、例えば何かの書類に自分の職業を記入する欄があったら、堂々と「定年退職・年金暮らし」と書いてもおかしくない、というようなことが書かれた文章があった。
 さて私も4年前にその身分になったのだが、年金暮らしの質素な生活がすっかり板に付いてしまった。これが死ぬまで続くだろうという覚悟も少しずつ固まってきている。勿論、無職の年金暮らしを敢えて自慢することもないが、今更恥ずかしいものとも思っていない。お国のために死ぬまで働き続けるなんて発想は、私の場合多分物心ついた頃からなかったのではないかと思っている(笑)。とにかく働くことが若い時からあまり好きではなかった。イージーな方向ばかりを夢想していた。
 年金暮らしは蓄えが増える訳ではないので、年金支給額をベースにして毎日引き算の生活をしているようなものである。賞与などの特別な支給はないのだから、プラスアルファの収入を想定することはない。定年退職直後の数か月は、まだ現役のサラリーマンの感覚が抜け切らなくて妙な落ち着かない精神状態だったが、それも半年、1年と過ぎていくと引き算生活にすっかり馴化されてしまった。
 定年になったらあれをやりたいこれをやりたいという夢を持つことは誠に結構な話しである。退職金をそれに投資するような人も中にはいる。私には若い時からそういう夢はなかった。退職金を元手に何かやってやろうという発想がそもそもなかった。
 何かの大きな出来事、自然災害や事件への遭遇、大病を患うことなどがあると、生活が一変してしまうが、それはあまり考えないことにしている。
 引き算生活は決してマイナス志向の考え方ではない。自給自足的でもある。先が見えてくるというのは素直にそういうことだと思っている。

 



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