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 日曜の夜、この症状に襲われる人は案外いるのではないか。休日の楽しみがいよいよ終わって、明日の月曜から週末まで再び仕事が始まると思うと些か憂鬱な気分になる、その気持ちの落ち込み方について、夜6時30分から始まるテレビ番組の「サザエさん」を観ながら気づくのである。英語にもブルーマンデーというのがある。月曜の朝の出勤前に感じる沈んだ気持ちである。
 さて私の人生経験を話すと、私は高校1年生の頃にこの病気に罹った。日曜の夜になると月曜からの学校の授業のことを考えて憂鬱になっていたのである。厳密に言えば「サザエさん」ではなく「シャボン玉ホリデー」だった。ハナ肇とクレージーキャッツのコントに笑って、番組が終わるとため息をついたものだった。
 理由は明確だった。勉強が出来なかったからである。クラスで成績が最下位のポジションを彷徨っていた。何故そうなのか、それは勉強をしなかったからである。これも明白なことだった。思春期、反抗期特有のもやもや感に精神が覆われていて、自分と素直に向き合えていなかった。かなり屈折した性格だったのである。自分と向き合えなけば、当然家族(両親)とも素直に向き合えない。同級生・友達とも同じである。
 それが受験に向かう3年生になると何故か吹っ切れた。気持ちの切り替えができたのである。このままのひねくれ精神状態ではどうしようもないと悟ったのだと思う。そして単純なことであるが、勉強をやり始めて少しずつ成績がよくなってきた。大学受験への手応えを感じて学校が楽しくなってきた。それ以来、日曜の夜の憂鬱、私の「シャボン玉ホリデー症候群」はいつの間にか消えていたのである。
 現役のサラリーマン時代、周囲がサザエさん症候群みたいな愚痴をこぼしていても、自分は違うなと感じていた。週の初めの朝からテンションが高いと、空気が読めていない奴と白い眼で見られそうなのでいつもおとなしくしていたが、月曜の憂鬱を感じたことはあまりなかった。正確に言うと、40代半ばに職場の上司からパワハラを受けていた時はそんな気分になっていたが、自分なりに開き直ることができて、実際には半年程度で事態(精神的な容態)は収まった。
 パワハラ以外でも、仕事やプライベートでちょっとしたサザエさん症候群的状況に陥りそうになったが、川柳を詠んで救われたと思う経験が何度もあった。詠むことのカタルシスを覚え、そのお蔭でサザエさん症候群をうまく回避できたのかもしれない。川柳の効用である。
 何故私は憂鬱なのか。辛いかもかもしれないが、その憂鬱とその主であるエゴと真正面から素直に向き合ってみると、予期せず何かが開けてくるのではないか。憂鬱の所為で見えてくるものもある。絶望があるから希望があると言ったら大袈裟かもしれないが、やはり人生は山あり谷ありでいいのだと素直に認めたくなるのである。
 そういったことを繰り返しながら川柳を詠んでいる。だから川柳との付き合いも長く続くのである。

 



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