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 36歳で川柳と出合い、すぐにこれを生涯の友と決めたが、周囲が川柳と俳句を勘違いして残念に思うことが何度もあった。
 かつては複数の新聞の文芸欄柳壇によく投句していた。地方団体なとが開催する文芸祭やコンクールで入選することもしばしばあった。そうすると私の名前が紙面に載る。それを職場の同僚や近所の人が目ざとく見つけて、何かで会った時に話題にしてくれる。それ自体は好意で言ってくれるので有り難いと思うのだが「三上さんは俳句をやっているんですね」などと話しかけてくるのである。そういうことを何度も経験した。きちんと「俳句ではなく川柳です」と答えてはいたが、次第に面倒くさくなると、俳句のままでいいかなとも思えてきて、敢えて訂正しないこともあった。
 多分、俳句の風流な印象は理解しているのだろうが、川柳の面白さは、サラリーマン川柳を初めてとして、新聞・雑誌やインターネットなどで企業がよく募集するテーマ川柳ぐらいの知識、おちゃらけた言葉遊び程度の認識しかないからなのだと思った。悲しいかな、川柳が短歌や俳句と同じ短詩型文芸に位置することが理解されていないからなのだろう。
 とにかく文芸としての現代川柳を理解してもらいたい。川柳は江戸時代の誹風柳多留だけではないということをなんとか広めたい。だから「川柳の神様Ⅰ」も昨年出版したのであり、毎日Facebook「∬∬ 今日の一句 ∬∬」も更新しているのである。これは死ぬまで続く私の使命だと思っている。風流で様になる俳句の道に進まず、敢えて世俗的な川柳を趣味に選んだ者の宿命だとも感じている。



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