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 先日、音楽を趣味にしている中学時代からの友人宅に伺う機会があった。ギターを弾いてシンガーソングライターみたいなことを今も続けている。かつてはCD制作した経験もある。コーヒーを飲みながら長話をしていると、20代の若い頃に作った曲の歌詞や譜面を持ち出してきて私に見せてくれた。それらを拝見しながら、当時熱心に活動していたことを改めて知った。
 そして友人曰く「若い時分はそれなりの感受性があって、いろいろなフレーズを思いついては歌詞に落とし込めたが、齢を重ねてなかなか書けなくなってきた」と。しみじみとした語り口だったが、聞いている私の方は、その時ハッとしたのである。
 何度もこのブログで書いているが、私は自分の句集発行のための選句・編集作業を現在進めている。作句歴30年を超えるが、30代半ばで川柳に出合い、そこから詠み始めたものを5年単位の時系列でまとめる章立てが今のところの構想である。歳月の流れに沿った作品群を改めて読み返してみると、自作とはいえ、30代、40代の頃のものが実に若々しく感じられる。
 こんなことを考えていたのか、こういう思いを抱いていたのかと再認識する。実に懐かしく感じるのだが、そのような感受性、繊細な神経も既に枯れかかっていることに気がつく。音楽好きな友人の感懐と全く同じことを私は自作の初期作品と久し振りに対面して感じたのである。音楽に文芸と趣味のジャンルは異なるが、偶然に共感するものは重たかった。
 友人との長話で見つけた少し寂しい自己認識でもある。枯れていくことは恐い。50代の頃には、既に自分の川柳が枯れ始めていることを感じていたが、そんな川柳でもいいではないかと些か開き直るところがあった。まだまだ作句への色気があったのである。
 来年はいよいよ70代を迎えるが、枯れ切ってもいいではないかとさらに開き直った境地に至れるだろうか。実は少し不安もあった。しかし友人の話しを聞くと、萎えかかった感受性になおも鞭打って作詞作曲を続けていくという結びだった。私も鞭打つことにしようと密かに思った。

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