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 毎夕食後に4、50分の散歩をしているが、10年ぐらい前の真冬のある時、歩きながら手袋の片方をどこかに落としてしまったことがあった。最初は両手にはめていたのだが次第に体が熱くなってきたので外し、上衣のポケットに仕舞い込んだのだが、歩いているうちに片方が落ちてしまったようなのである。それに気がついたのが家に着く少し手前の所だった。
 慌てて散歩コースを逆に辿り始めて捜し始めた。夜も8時過ぎていてもちろん暗かったが、何とか目を凝らして下を見続けながら歩いた。結局逆コースで家まで辿り着いてしまい、結果的にいつもの倍の距離の道を歩いたことになってしまった。つまり見つからなかったのである。時刻は9時をかなり回っていた。
 それほど高価な手袋ではないが、毎年冬になると必ずタンスから取り出して散歩用に使うのでそれなりの愛着があったのである。次の日は土曜日の休日だったので、朝飯を食べた後、今度は自転車を使って、手袋捜しの旅に出た。散歩コースを辿りながらゆっくりペダルを漕いだが、なかなか見つからない。家に段々近づいて来てこれは駄目かなと思っていたら、その片方の手袋が、何と或る家のフェンスの塀に挟まって置いてあるではないか。きっと誰かが見つけて地べたから拾い、落とし主に分かるようにわざわざ塀に掛けて置いてくれたのだ。見つけた時は素直に嬉しかった。前夜に捜した時は下ばかり見て歩いたので気づかなかったのだ。
 そして、こういう落し物を見つけた場合のマナーとして、そのまま道路の地べたに放置しておくのではなく、こういうやり方で取り扱うのが正しいのだということが分かった。以来、道を歩いていてハンカチ、手袋、タオルなどが落ちていたら、なるべく塀とか生垣とか、地面から上のところ(なるべく人の目の高さ)に置いてやるようにしている。すでにそのようなことをしている人には釈迦に説法みたいな当たり前の話しになってしまうが、見知らぬ相手でも、ちょっとしたこういう気遣い、小さな親切は大事なことであるを改めて勉強した次第である。



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