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 学生時代の思い出話しだが、まだ1年生の夏の暑い時期、巣鴨に下宿していた高校時代の友達の家に、高校卒業後初めて4,5人の同級生仲間が集まり、夕方から酒を飲んで盛り上がった。高校時代のことや東京という大都会のことについての話しに花が咲いたが、それにも飽きてきて、真夜中を過ぎてようやく全員が雑魚寝して眠りに就いた。
 翌朝、いきなり目覚まし時計が鳴り、全員が起こされた。その友達は授業があったのである。それ以外の者はそれぞれが違う東京の大学に通っていたが、その日の授業はサボることにしていた。友達は目覚ましのスイッチを止めると、何とまた寝てしまった。私を含めた周囲はそれを見ていて、そういうことなら俺たちも寝てしまおうと黙って眠りに就いた。
 お昼頃になり、たっぷり寝た全員が起き出した。目覚ましを止めた当人が慌て出し、学校へ行かなくてはと騒いだのである。しかし後の祭り。どう考えてももう間に合わない。すぐに諦めた。当人は最初、目覚ましが壊れて鳴らなかったと言いだした。しかし、自分が目覚ましを止めたことは周りの全員が目撃している。結局、目覚ましを止めた記憶は全くないが、寝惚け眼で確かにそうしたのだろうと観念して、欠席してしまった授業の単位が取れるだろうかと急に心配になって落ち込んでいた。
 それと同じことを私もやってしまった。大学2年の時、夜中までテレビを観すぎて翌日の第1限の授業に遅刻したのである。目覚ましは確かにセットしていたのに、けたたましく鳴っても眠くて自分で止めてしまい再び寝に入ってしまったという次第。思い返しても止めた記憶はない。おそらく、目覚ましを止めて後5分ぐらいは眠ってそれから起きよう、などと考えたのではないか。一般教養の論理学の科目で哲学専攻の専門課程に進むうえで、これは優を取りたいと真面目に受けていた授業だったのである。慌てて大学へ行ったが、ほとんど授業は終わっていた。ものすごく残念に思った。
 さてその後の学年末試験で、1年間分の授業をまとめたノートを読み返し一生懸命復習していざテストに臨んだら、なんと遅刻したその時の授業の内容がそっくり問題に出されていたのである。全然答えられない。あーん、がっくり。優はもらえなかった。わずか1回寝坊した遅刻のためにすべてを台無しにしたような気がした。
 それからも寝坊の失敗は何度もあった。誰でも似たような経験はあるだろう。でもそれは若いからそういうことができるのである。
 歳を重ねてすんなり寝入ることができなくなると、そういう経験が懐かしく思えてくる。若いから寝坊が出来るのである。



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