川柳豊橋番傘3月号の作品から 岡崎川柳研究社 近藤智子さんの鑑賞です。
○ 多事多難思えばこれがボケ防止 小椋恵美子
一難が去ると、また来る、ホッとする間の無い毎日、こんな日々のお蔭で、ボケる暇が無いのは、ありがたい事だと思える。
○ この星に原発のゴミ捨て場なし 尾崎千津子
大津波が来るまでは、原発の存在を、一抹の不安を抱きながらも、認めざるを得なかった。震災の後始末を、一年を経た今も、これからも、識者や政治家の討論は、続けられて、世界の目を集める事だろう。
○ 独り言言いつつ一人膳かこむ 郡山 弘子
年を重ねると、食前食後の薬やら、いちいちチェックしながら、独り言が多くなる。犬や猫に話しかけては、淋しさを紛らわしながらである。
○ 口癖は立つも座るもドッコイショ 佐野フサエ
ギックリ腰も、ドッコイショと、一呼吸置いて、立ち上ると、いきなり立ち上るより、なりにくいと聞いた事がある。それにしても一日に何度ドッコイショと言うことだろう。
○ 表札は昔のままで一人住む 清水 和子
犬と散歩をしていると、亡くなったご主人のままの表札を、度々見かける。男性の名が在るという事は、魔除けになるに違いない。
○ 一枚の襖で別居した気分 寺部 水川
襖一枚で、プライバシーは守られる。夫婦でも、用事が無ければ、何も話す気分にならない時もある。ガラス戸は、姿が映るけれど、その点襖はありがたい。
○ 相談をしておきますという返事 中内まつ江
関西の人に、考えておきますという返事を貰ったことがある。私は、額面通りに受け取って、後日、考えておいてもらえた?と、聞いたが、それは体のいい断り文句だったのである。上方の人の柔らかい断り方に、感心したものである。
○ 鬼は外豆では消えぬ放射能 藤原 一志
放射能は鬼には違いない。豆まきで消えたら、どんなにいい事だろう。でも豆の力は無限大だと思う。近未来、放射能が消える豆類が生まれるかも知れない。
○ 逆上がり出来ぬ私は宇宙人 水谷 一舟
小学生の頃、友達がみんな出来るのに、私だけが、どうしても出来なかった。毎夜、夢に出てくる様になって、腕をぐっと引いて、土を思い切り蹴った。翌日見事に出来た。夢で会得したのである。夢に出て来る程、悩み抜いた揚句である。
でも、作句ばかりは、夢に出るほど悩んでも、出来ずじまいである。
山のあなたさん、良かったらまたコメントをお願いします。
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