泣きに来た海が裸になれという
やり切れぬ思いを抱いて海辺の宿を訪れる。映画のワンシーンのようでもあるが、もう纏っているものはないと思っていても、大自然からみれば物足りなさが見えるのだろうか。「裸になれ」と諭してくれる。
ここからが勝負と、素早く気付いた者から再起の切符が手渡される。
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古傷と戯れながらBランチ
古傷はある程度の年齢を重ねた者なら、深浅の差こそあれ誰にでもある。さらにその古傷もお互いが認め合う年代になると、「あの夜はあなたのところで泣き明かしたわねぇ」「翌朝、あなたったらけろっとしてるんだもん」二人だけの思い出話は際限がなく、とことん続く。そんな二人にはBランチがよく似合う。
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騒いだらアカン仕合せなんだから
拙画でもきわどい絵にはブーイングが聞こえてくる。出来るだけ「らしく」の演出を心掛けている心算である。「シアワセ」も「幸せ」も「倖せ」も「仕合せ」もあるが、ここは敢えて「仕合せ」を選んだ。若者の多様性は高齢者の思考の及ぶところではない。抑えても押さえても顔を擡げる老婆心を懸命に抑え込んで、ひたすら傍観...【続きを読む】
帯解いてお薬におわす内裏雛
和服で盛装して、帯をきっちりと纏っていると貼り薬の匂いも閉じ込めて外部には漏れないらしい。最近の薬事は肌から吸収させる手法も取り入れられており、一昔前の貼り薬は筋肉痛専用だとは限らない処が厄介。体調不良か、内臓疾患か、やがて衆目の知るところとなるだろうが、まだ気付いているのは、ひな壇に整列している近...【続きを読む】
窓の汚れ目立ち打始める春隣り
外気が緩んでくると啓蟄待たずして、外に出たくなるのは虫だけではない。土筆も雑草も、そして人間様も同様である。そろそろと言う意思で窓外を眺めると、意外や窓ガラスの汚れが見えてくる。ややこしいけれど人間の目なんて、正確であったり曖昧であったり、心ひとつ操れるらしい。
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久々に包丁を研ぐなごり雪
マスコミが今年もニシンがやってきたという。国同志の関係はぎくしゃくしているものの、自然界の摂理は変わらず巡ってくる。瀬戸内海でも鰆の網が重くなる日も近いだろう。我が家でも活躍しはじめる包丁を研いで、おさおさ怠りのない様に準備を始めたという。窓の外には風花が待っているっというのに。
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タンポポの綿毛を吹いてふと無心
手持無沙汰なのだろうか、いやいや決してそんなはずはない。急ぎ足を急に止めての仕草だから。何かのきっかけで飛び出したに違いない。原っぱに飛び出してはみたものの、急ぐ用事かあるわけっではない。気持ちの整理がついたのか。冬枯れの草原に木枯らしを避けるように咲いている名残りのタンポポを見付けて、膝を折って摘...【続きを読む】
一番と聴くと押せない削除キー
新しい職場に慣れるまで少し時間がいる。その間隔を埋めるように殊勝にパフォーマンスを披露する輩が目に付く。目障りは脇に置いておくに越したことはない。ところが参謀が耳打ちしてくれる。「奴は村一番の鎮守の神主の次男」だと言う。社員の安全祈願にはしっかり便宜を図ってくれるという。目障りでも社内のプールで泳が...【続きを読む】
芸のない男にシナリオ書き直す
シナリオ作家ではなくても、ここまで言っておけば後は自分の判断んで振舞ってくれるだろうという予感は誰でも持っている。青学の原監督も選手の自主管理に任せて完全優勝を果たした。もっともこちらは一流人ぞろいという大きな違いはある。侭にならなければこうするより他はないねという。
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俺にしかできないものがあるという
人にはそれぞれ長短があり、意識するとしないとにかかわらず、個性がある。周囲がとっくに知っている内容で案外とお役に立てるものもある。もちろん大方は、その逆が多いのだが、まあ、ここまで永らえてそんなことが聞こえて来るとは、嫌な気分ではない。何となく浮いてくる。
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もくもくと取りつく島のない愚直
外から無責任に愚直というが、本人は至極まじめで、曲がったことが大嫌い。サボったり、脇目をしたりすることに全く縁がない。周囲から、それなりの輩がちょっかいをかけるが一向に効き目がない。「とりつく島がない」名言かも。
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もうネジは巻かなくていい追加点
「賀正」 日本を取り巻く環境が全ての面で不安定な幕開けとなりました。だからこそ、足を地につけ大切に歩みたいものです。今年も引き続きです、どうぞよろしくお願いいたします。
どんなゲームでも得点差が大きく開くと、安心である。監督が選手の尻を大きくひっぱたくのは僅差のときである。そうなると選手も肩の力を抜...【続きを読む】
フルスイング結果を気にはしていない
.どこのチームにも必ずこんな選手がいる。芽を瞑る余裕のあるチームならいざ知らず、がちがちのチームでは浮き上がってしまう。何万人ものファンの期待を背負っていながら、案外本人はケロリとしている。あのとき、進塁打を打っていたら、と言う場面が幾つも思い出される。来年が勝負、数字が伸びないと、翌年は自由契約の...【続きを読む】
努力して努力を見せぬ努力する
下五は「努力する」が元句だったが、「のも努力」のミエ見えよりも隠していることも、努力のひとつかも知れないという思いに至ったので「ので努力」に変更したが駄洒落の域は出ない。どちらにしようか、未だ迷っている。曖昧な句にはそれなりの深い滋味があるように思えるのだが。
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明日天気ならばいいねと仰ぐ空
昭和26年のことである。ド田舎の中学でも野球が始まった。サインはバントと盗塁だけしか無いという中で、大ピンチになった。四番で投手のキャプテンが突然野手全員に集まれという。「何事なりや」とセンターから駆けつけると、円陣を組んで「明日天気ならいいね」という。天晴れと言おうか、その時の情景は今でもはっきり...【続きを読む】
男ならルール無視して漕いできて
もう師走、田舎町も俄かに騒々しくなって、何となく気忙しい。純朴そうな青年に、かなりド厳しい要求である。まだ、少女の域を出ないようなあどけない雰囲気を残しつつ、やるもんである。この一言で赤信号は無理にしても、一方通行ぐらいは突き抜けて呉れるかも知れない。何処まで誠意を示せるか。男の度量が問われている。...【続きを読む】
切り札を握って語尾が強くなる
切り札の句はざらにあって、目新しいものは何もない。従って、作句の背景も解説も要らないし、読み手の共感も得られない。ワイドショーでも見かけるシーンで、「おや、芯のあることを言うな」から話が進むにつれて切り札、ポイントを披露してチョン。話の結末まで見えてくる。
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言わなけりゃ傷の深さは解らない
真っ先に、負傷兵を励ます言葉として思い出した。「傷は浅いぞ、頑張れ!」。負傷した本人には意識朦朧の中で聞く、このセリフが功を奏したようである。こちらの傷は心の傷である。近代人は実にデリケートで小学生で不登校の憂き目に遭う。反面、傷を隠す術も卒がないし。その程度なら私の傷の方が深いと言われかねない。
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