努力して努力を見せぬ努力する
下五は「努力する」が元句だったが、「のも努力」のミエ見えよりも隠していることも、努力のひとつかも知れないという思いに至ったので「ので努力」に変更したが駄洒落の域は出ない。どちらにしようか、未だ迷っている。曖昧な句にはそれなりの深い滋味があるように思えるのだが。
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明日天気ならばいいねと仰ぐ空
昭和26年のことである。ド田舎の中学でも野球が始まった。サインはバントと盗塁だけしか無いという中で、大ピンチになった。四番で投手のキャプテンが突然野手全員に集まれという。「何事なりや」とセンターから駆けつけると、円陣を組んで「明日天気ならいいね」という。天晴れと言おうか、その時の情景は今でもはっきり...【続きを読む】
男ならルール無視して漕いできて
もう師走、田舎町も俄かに騒々しくなって、何となく気忙しい。純朴そうな青年に、かなりド厳しい要求である。まだ、少女の域を出ないようなあどけない雰囲気を残しつつ、やるもんである。この一言で赤信号は無理にしても、一方通行ぐらいは突き抜けて呉れるかも知れない。何処まで誠意を示せるか。男の度量が問われている。...【続きを読む】
切り札を握って語尾が強くなる
切り札の句はざらにあって、目新しいものは何もない。従って、作句の背景も解説も要らないし、読み手の共感も得られない。ワイドショーでも見かけるシーンで、「おや、芯のあることを言うな」から話が進むにつれて切り札、ポイントを披露してチョン。話の結末まで見えてくる。
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言わなけりゃ傷の深さは解らない
真っ先に、負傷兵を励ます言葉として思い出した。「傷は浅いぞ、頑張れ!」。負傷した本人には意識朦朧の中で聞く、このセリフが功を奏したようである。こちらの傷は心の傷である。近代人は実にデリケートで小学生で不登校の憂き目に遭う。反面、傷を隠す術も卒がないし。その程度なら私の傷の方が深いと言われかねない。
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ミスキャスト道化ひとすじ母の役
中にはあらせられるだろうか?その覚悟のないまま母親になってしまったという方が。そこはそれ、十月十日という舞台稽古の場が設けられているから、所作もセリフもひと通りマスターしてからの演技となる。それでも私にはこの役はミスキャストだったという。失敗続きで、いまもまだ周囲を笑わせる動作に明け暮れている。母の...【続きを読む】
他人よりもっと哀しい相似形
隣町の従妹姉妹なのにそっくりだといつの間にか周知の事実となって、歌が上手い、テニスが上手いと、何かにつけて、すぐ比較対象にされる。身内とて、いっそ他人だったらと思うことがしばしばある。優しさでは負けていないのに、噂は表面だけをなぞりながら、飛んで流れる。
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オフの日は薄めの眉でこと足りる
上五は休日のことだろう。仕事がない日である。ゆったりした気分が読み取れる。その向こうに、勤める日のシャキッとして、てきぱきと物事を処理している姿が浮かぶ。一部を表現して、見えない部分を想像させて句意を広げる。川柳の醍醐味かもしれない。
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