童話「とび箱がとべてこんなに青い空」(4-3)
学校へ行くと、午前中の授業の時から雨は上がっていた。天気予報が当たった。というよりお姉ちゃんの言ったとおりであった。
給食になると、天気もよくなってきたので、先生は体育の授業参観にやる気まんまんという顔を見せていた。ぼくと言えば、いよいよあきらめないといけないのかという気持ちになり、せっかくの給...【続きを読む】
童話「とび箱がとべてこんなに青い空」(4-2)
ついに来てしまった授業参観の日の朝、ぼくの味方になったような雨がまだ降り続いていた。目が覚めてそれを知った時、ベッドの中でひとりほっとした。このまま降り続いてくれれば、午後の授業参観は、国語にへんこうされる。ママの前で、とび箱のとべないぼくを見せることはなくなる。そう考えると、少し変な勇気がわいて...【続きを読む】
童話「とび箱がとべてこんなに青い空」(4-1)
句集の編集作業のために自分の部屋を整理していたら、20年以上前に書いた童話作品が出てきた。平成13年開倫ユネスコ協会(栃木県足利市)が主催した第6回童話大賞に応募して佳作入選となったものである。195作品の応募があり、優秀賞2作品を含めて29作品が入選していた。審査員委員長は作家の馬里邑れい先生。...【続きを読む】
「アンサンブルの思い出」と「幻のクラス会」の顚末
2022年11月18日に「アンサンブルの思い出 」というブログを書いた。2024年1月12日には「幻のクラス会 」というブログも書いた。以下の文章はこの二つの話しの顚末を記すものである。
11月20日に令和元年8月以来、実に5年ぶりの中学校の同窓会が開催された。本来ならば3年後に開く予定だったの...【続きを読む】
医療への素朴な疑問
11月8日の読売新聞朝刊で、同新聞に掲載された「『移植見送り問題』を巡る一連の報道」(読売新聞東京本社臓器受け入れ断念取材班)に対して、医療分野の優れた報道を表彰する「日本医学ジャーナリスト協会賞」の2024年度の大賞に選ばれたことが報じられていた。記事には、以下のように書かれている。
[取材班...【続きを読む】
平均寿命と平均気温
平均寿命(学術用語としては「平均余命」が正しいのだろうが、巷間使われる言葉はこちらの方が一般的だと思う)が延びて、人生100年時代などと言われて久しい。毎日、朝刊の訃報欄を読みながら、100歳で天寿を全うした人はまだ少ないが、90代で亡くなる方はかなり多いという印象を持つ。
平均寿命の年毎の推移...【続きを読む】
過去と現在の二重写し
Facebookをやり始めて6年目になる。毎朝「∬∬ 今日の一句 ∬∬」を載せるようにしている。たくさんの人に読んでもらいたいので、当初から友達を増やしていき、現在3,400人程度になっている。おかげで「いいね」の数もそこそこにある。
日々Facebookの画面を開いていろいろな友達の投稿を眺め...【続きを読む】
選の側面について
かつてNHKで「ヒューマニエンス・クエスト」という、人間に関する知的なトピックスを紹介する番組(MCは織田裕二とNHKの女性アナウンサー)が放映されていた(「ヒューマニエンス」はおそらく「ヒューマン」と「サイエンス」を合体させた言葉か)。人間という不思議な存在をじっくり深く妄想する「探求の旅」シリ...【続きを読む】
窓が無い
私は日当たりがあまり良くない部屋で一日を過ごすこと、あるいはそういう日常生活を送ることが苦手である。窓があっても北向きしかない部屋にいることもあまり好きではない。住宅が密集していない田舎で生まれ育った所為もあるだろう。
東京での大学生時代、下宿選びに際しても日が射すかどうかをかなり気にしていた。...【続きを読む】
圧力鍋
今年の春、圧力鍋を買おうと思い立った。理由はカルシウムの摂取量を増やして骨を強くしようと思ったからである。亡母が老いてから骨粗鬆症で苦労していたことも影響しているだろうか。圧力鍋で煮魚料理を作って骨まで食べ尽くす。高齢者の階段を昇り始めてから、少しずつ自分の体に気をつけ始めていたが、健康維持のため...【続きを読む】
「やばい」と「terrific」
「やばい」の語源は江戸時代まで遡れるようであるが、現代における使われ方は「危険な、不都合な」という意味が一般的である。それが若者言葉として1990年代あたりから「凄い、非常に面白い」という新たな意味にも用いられ始めた。否定的な意味合いから積極的な肯定へと転換されて広まった。タレントの出川哲朗が「ヤ...【続きを読む】
「よろしくお願いします。」
先日、車の運転中にラジオを聴いていたら、フランス語には日本語の「よろしくお願いします。」に相当する文はないことが話題として取り上げられていた。これはおもしろそうだと、自宅に帰ってから早速パソコンでこのことを調べ始めた。いろいろ検索してみると、フランス語だけでなく欧米の言語には、そもそもこれと同じ言...【続きを読む】
インフレと物価高
インフレとは通貨価値の下落をさす。同じ通貨で交換できる物の価値が下がる現象であり、要するに物の販売価格が上昇する訳である。物価高は物を購入するのに、以前より多くのお金が必要となることを言う。
インフレと物価高は同じことを意味しているが、文脈の中で微妙に使い分けられる。インフレは、かつてよく言われ...【続きを読む】
認知症の取り扱い
10月に著名な女性声優が亡くなった。テレビニュースでは各局がこのことを大きく報道していた。訃報に接した一般市民へ街頭インタビューなどを行い、その驚きと悼む声がいくつも紹介されていた。
この方は、亡くなる前に認知症を長く患っていた。ニュースではそのことに全く触れていなかった。翌日の新聞報道では認知...【続きを読む】
万歩計と体重計さらに卓上カレンダー
万歩計(これは商品名なので「歩数計」と言った方が適切なのかもしれないが)を着け始めて20年以上になる。きっかけは川柳大会の賞品だった。当時はまだ40代前半だったので、こんなものが何に役立つのかと見向きもせず放っておいた。その後、人間ドックで尿酸値が高くなったことが判明し、運動しなければいけないと謙...【続きを読む】
法の無力性について
9月に再審無罪となった袴田事件のことは、今年の10大ニュースにおそらくランクインする話題になるだろう。それほど大きな衝撃を与えた出来事だった。
平成26年に死刑及び拘置の執行が停止されて袴田巌さんが釈放された時から、これからどうなるのだろうと私はものすごく気になっていた。その後の進展はいろいろあ...【続きを読む】
尾崎一雄「虫のいろいろ」から
尾崎一雄(1899~ 1983)の短編小説「虫のいろいろ」を若い頃に読んで、ずっと惹かれるものがあった。今更ながらネットを検索すると、本文があったので以下に抜粋する。
[それからまた、私は、世にも珍らしいことをやってのけたことがある。額で一匹の蠅を捕まえたのだ。
額にとまった一匹の蠅、そいつを追...【続きを読む】
奇跡は起こらない
平成23年3月11日に起きた東日本大震災で、岩手県釜石市の3,000人近い小中学生のほぼ全員が避難して無事だったことは「釜石の奇跡」と呼ばれている。
生徒達が迅速に対応できたのは、釜石市内の学校が数年間取り組んできた防災教育プログラムの成果によるものだった。だから地元の関係者の中には、この取り組...【続きを読む】
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