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 私の知り合いで、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナのガザ地区の問題について、あまり関心がないときっぱり言う者がいる。国際社会に紛争は付き物で、これを解決しようとすることは底に穴の空いたバケツに水を汲むような虚しさがあるからだという。人道的な見地からはどう考えるのかと訊くと、人道とは、その道から外れることが必ずあるから人道という言葉が叫ばれ、その概念が存在し続ける訳で、人道から外れることがなくなったらこの言葉も消えてしまうだろう。そんなことは有り得ない。地球上、人間が社会を営む限り戦争だろうと紛争だろうと消えてなくならない。それに伴う人道上の問題も必ず発生するのだと、ここまで開き直るのである。
 うーん、結構過激な言い方だが、一理はありそうだ。国際問題を他山の石として扱うこともなく、どこまでも対岸の火事ぐらいのものとして淡々と眺める。恐れ入る思考回路である。
 かつて日本人は島国根性などと自らを卑下していたものだが、そのような性格は今でも遺伝子のように受け継がれている。これは確かなことだろう。自国を世界の中で位置づける場合、他国との緊張関係の中で成立していることが空気のように当たり前と認識する欧米流の思考方法は、今もってなかなか日本には定着していないようだ。何につけもグローバリゼーションが叫ばれるようになって久しいが、この概念も、国と国との関係は友好的であろうがなかろうが、いつ対立・反目が起きてもおかしくはないという前提が当然内在している。この前提が顕わになれば、概念の意味合いは一気に萎えてくるはずだ。
 ロシアによるウクライナ侵攻が丸2年を迎えようとしているが、当初はこんなに長引くとはあまり想定していなかったのが一般的な認識だろう。だから終結後のウクライナへの復興支援などということも話題になった時期がある。ある人が、戦争という名目で建物やインフラを破壊し、それらを復旧させるために我が国の財政から莫大な支援金をわざわざ使うことはいかがなものかと疑問を呈していた。巨大地震などの自然災害とは意味合いが異なる支援だと主張するのである。薄情なことを言っているようであるが、分からない気もしないではない。

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