短編小説「もう一人の自分」(4-2)
結局、片っ端から紐で縛ったり、段ボール箱に詰め込んだり、朝からの作業を続けて二時間ぐらい経っただろうか。
「どんな感じ?結構捗ってんじゃないの。OK、OK」
階段を上がってきた直子の声の調子がいい。いよいよ片づけに着手したので、まずは褒めてやるか、そんな感じで物置に入ってきたのだろうか。着手した...【続きを読む】
短編小説「もう一人の自分」(4-1)
ここに来て、ブログの材料探しも行き詰ってきた感じもするので、いささか古いものであるが、平成19年元旦の下野新聞社「新春文芸」の短編小説部門(立松和平、松本富生 選)で佳作に入賞した作品を4回に分けて掲載することとしたい。これで4回分、16日は何とか持ちこたえられます。なお、佳作入賞なので、この作品...【続きを読む】
賢いイルカのことから川柳を考える
日本のイルカ漁が欧米からの非難の的になるニュースが偶に出てくる。
かつてあるアメリカの有名な女性歌手が、イルカを殺して食べることは絶対に反対だと唱えていた。日本のテレビのニュース番組で、キャスターがその歌手へインタビューした際に「欧米人は昔から牛や豚の肉を食べているのではないか。これについてはど...【続きを読む】
自分という他人
10年以上前の話しであるが、娘が関西の大学に入って、言葉づかいのことで驚いた体験をしたようだった。わざわざ電話してきたくらいだから相当の衝撃だったのだろう。
娘は、大学では体育会で武道関係のところに入部したのだが、ある日、部の行事として河原でみんなとバーベキューを楽しむコンパがあった。途中で缶ビ...【続きを読む】
グラタンの味
コーラの次はグラタンについての思い出である。中学に入ると、スケートが流行っていた。友達と近くの空き地や舗装道路でローラースケートをやったり、宇都宮へわざわざ電車で出掛けて市営のアイススケート場で滑ったりしていた。お昼になると、スケート場内にある食堂で醤油ラーメンをよく食べていた。醤油ラーメンという...【続きを読む】
コーラの味
コーラを初めて飲んだのは、小学4年生の時だった。今でもはっきり憶えている、いささか恥ずかしい体験でもあった。
私の住んで育った栃木県壬生町には、輸出玩具工業団地、通称おもちゃ団地というのがある。今は工場数もかなり少なくなってきたが、かつては盛んに玩具を製造して海外に輸出していた。
当時私はボー...【続きを読む】
幸せになりたい
例えば昭和の頃、ある若い女性が友達の結婚式に招かれ、喜びに満ちた顔の新郎新婦を披露宴で眺めながら「私も幸せになりたい」と呟く。そんな映画の場面があったとしても、それは一つも不自然ではなかった。今の令和の世の中では、何につけ多様な価値観が叫ばれ、男女の関係について、結婚イコール幸せ、幸せイコール結婚...【続きを読む】
日本の馬から少し考えてみること
馬というと、競馬に出てくる競走馬の大きさを一般的にイメージするが、日本に古来から存在する在来種はかなり小柄であった。肩までの高さが100~135cm程度だったようで、競走馬(サラブレッド)の160~170cm程度に比べるとかなり低かったと言える。体重もそれに比例して相当軽かったのではないか。今は数...【続きを読む】
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