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 コンビニエンスストアが日本で本格的に流行り出したのは昭和50年代からだったと記憶しているが、私が学生時代を過ごした東京の赤羽には当初コンビニなどはなかった。大学5年生の頃に、7時から11時まで営業する某スーパー系列のコンビニが大きな通り沿いにいよいよ開店した。しかし私は眺めるだけで入店しなかった。それはあまり盛っていなさそうだったから、入りづらかったのである(一度入店したら何かを買わないとまずい雰囲気なのではないかと一人勝手に思い込んでいたのであった)。
 その後、駅近くの繁華街に24時間営業の別系列の店が出来た。24時間灯りがついていると便利である。昼夜逆転の生活をしているところがあったので、こちらの店は何度も入ることがあった。
 当時は、飲み物以外にカップラーメンの自動販売機があちこちに設置されていた。缶ビールや酒の自動販売機は酒屋の脇に置かれてあったが、確か夜の11時になると使えなくなっていた。未成年の非行防止という名目だった(東京都の条例に基づいてそうなっていた)。
 当時は、酒屋でしか酒は販売できない時代だったので、コンビニで酒類を買い求めることはできない。真夜中に酒を飲みたくなって家に在庫がない場合は、深夜までやっているラーメン屋に行かないと飲めない。貧乏な学生の身には割高な飲み方である。
 その後、栃木に戻って就職したが、コンビニの普及は目を見張るもので、東京でも地方でも、所構わず出店するようになっていた。私は若い時分から山歩きが趣味だったので、コンビニで買い求めるおにぎりや弁当は大変に重宝した。いつも早朝の出発のため、毎度必ずお世話になった。コンビニがなければ前日にパン屋でパンなどを買って準備していたはずだ。
 しかし、長ずるにつれコンビニはあまり利用しなくなった。それは定価で商品が販売されているのが気に食わなくなったのである。スーパーも朝早くから夜遅くまで営業するようになった。スーパーの総菜売り場のおにぎり・弁当も種類が豊富で案外割安である。そういう理由からもコンビニへは次第に足が遠のいた。深夜に思い出したようにコンビニへ行くなら、予め必要な買い物(夜食など)のことを考えておき、日中にスーパーへ行く方がお得である。結果的に、コンビニを利用するのはチケット購入や公共料金の支払い、ファックス利用などに限られた。ちなみに何かをコピーをする場合でも最寄りのスーパーの方が安い。
 自著を数冊上梓し、たくさんの柳友へ郵送したが、お礼に図書カードやクオカードを送ってくれる方が多かった。図書カードは孫の絵本購入などに充てたが、クオカードは溜まる一方であった。以前まとまったクオカードを娘婿へ全部上げたことがある。婿さんが言うには、実の母親からもよくクオカードをもらうとか。やはり持て余しているらしい。つまり同じような世代なのである。高齢者は安直にコンビニなどへは行かず、少し遠くてもスーパーへ行って、なるべく安い品物を買おうとした方がいい。その方が心身の老化防止になるのではないか。



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反コンビニ論”にコメントをどうぞ

  1. 橋倉久美子 on 2024年2月25日 at 9:30 AM :

    私はQUOカード重宝していますよ。
    博史さんと同じく基本的にコンビニは使いませんが、月に1、2度、購読しているのとは別の新聞をコンビニに買いに行くので、そのときついでにおつまみの類(さきいかとかホタテのひもとか)をちょいちょいっと買うのに使います。
    気持ちよくプチ贅沢をするために使う、という感じです。

    逆に、図書カードはなかなか減りませんねえ。
    読みたい本は図書館で借りるし、雑誌とかもほとんど買わないし。
    タイムマシンがあったら、なけなしのお金で専門書を買っていた大学時代の自分に持っていってやりたいと、いつも思っています。

  2. 三上 博史 on 2024年2月26日 at 9:16 AM :

     久美子さん、ありがとうございます。
     「反コンビニ」は少し言い過ぎですね。コンビニの便利さは有り難いですし、重宝しています。
     近々第二句集「ほぼほぼとほぼ」をお送りします。読んでやってください。

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