今年の4月、突然五十肩になった。今でもはっきり憶えている。寝ている時に俯せの変な恰好のまま眠っていたから肩に無理な負荷がかかったのだろう、と自分なりにその原因を推定している。
毎朝起きてとにかく左肩が痛い。大したことはないだろうと高をくくっていたら、何日経ってもなかなか治らない。シャツやパジャマの袖に左腕を通す時にかなりの痛みが走る。どうも左腕を後ろの方に持って行こうとすると痛いようだ。それ以外の方向は何ともない。腕立て伏せや鉄亜鈴などの運動をやっても痛くはならない。
ネットで調べると、治すための決め手となる治療はないらしい。夜中に寝ていてずきんずきんと疼いて激痛が走り眠れなくなると重症だが、それ以外は自然に治るまで辛抱強く待つほか手立てはないらしい。60歳を過ぎると足腰にいろいろながたが来ることは承知していたのだが、まさか五十肩かという思いだった。この五十肩とも長い付き合いになるだろうと覚悟を決めた。以来半年近くなる。
さて、我が家は昔から親戚の農家の玄米を買ってそれを精米し毎日食べている。収穫が終わった9月下旬、毎年1年分を親戚宅へ取りに行っている。今年も電話連絡があり、その日が来た。五十肩なので重い袋を取りに行くのに少し躊躇いがあったが、そんなことで考え込んでいても仕方がない考え、とりあえずいつものように親戚宅へ向かった。
親戚の軽トラを借りて、1袋30kgの玄米を5袋家へ運ぶ。まずその5袋を倉庫から軽トラの荷台に積み込む。運転して自宅に着いたら、一旦猫車に載せて我が家の物置へ運び仕舞い込む。1袋ずつ両腕で抱え込んでは軽トラの荷台へ、猫車へ、物置へと積み上げて積み下ろす作業は毎年のこととはいえ結構大変な労力である。一人でやりながら、左肩は大丈夫だろうかと気にしながら、例年よりはゆっくり落ち着いて作業を進めることにした。
いざ作業が終わると肩の方は別に問題はなく、痛みが出るようなことも幸い起きなかった。それから一息入れてお茶などを飲んでいると、どうも左肩が軽くなったような妙な感じがしてきたのである。
それから夕飯を食べていつもの日課である散歩をして、ゆっくり風呂に入ろうとした。シャツや肌着を脱ぐ時、痛みが走らないように左肩をかばいながら丁寧な動作でそうするのだが、それでも必ず痛いと感じる。ところがその夜はほとんど痛みが感じられない。そんなこともあるだろうとその時はあまり気にせずスルーしたが、今度は風呂上がりに肌着やパジャマを着ようと左腕を袖に通すると、これまた痛みが走らない。「えっ! 五十肩が治ったの」と思った。まさか、まさかの事態である。
米袋を両腕で抱える時、両肩全体に相当な力が入る。それがいいように関節や筋に作用して痛みの元を和らげてくれた、矯正してくれたのかもしれない。これはあくまで素人判断である。医学的に見ても何かの生理的メカニズムがあるのだろうが、しかしとにかく驚いた。この拙文を読んでいる整形外科医がいたらこのことについて何か教えて欲しいくらいだ。
100%治ったという感じではないが、少なくとも痛みはほとんど消えている。個人的なことだが、本当にまさかという妙な経験をした。
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