オフの日は薄めの眉でこと足りる
上五は休日のことだろう。仕事がない日である。ゆったりした気分が読み取れる。その向こうに、勤める日のシャキッとして、てきぱきと物事を処理している姿が浮かぶ。一部を表現して、見えない部分を想像させて句意を広げる。川柳の醍醐味かもしれない。
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守る人へ守らぬ人が着せるアレ
「守らぬ人」の中には、その立場にない人が含まれている。したがって、第三者が精一杯頑張っている人へヒョイとアレを被せてしまう。こんなことが現代社会で、堂々と民主主義の法治国家で通用するのだから恐ろしい。その上、守る立場にない人には、その必要がないから悪事の糸を手繰る術さえ持たない。胸中に事例が去来する...【続きを読む】
すこし愛トッピングして確かめる
相手の状況や心中を確かめる術として何を混ぜるか夫婦、親子、友人、恋人それぞれ異なる。直接尋ねればよいものをと思い勝ちだが、それでは相手が構えてしまう。要するに本心が知りたいのである。生来短気のなせる業か不安でショウガナイ。若しも凶と出たら、短気なだけに怖い気もする。
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可愛いダイコそれでいいそれがいい
「カワイイダイコ」スーパー等の市場ではあまり見かけないが、朝市には偶に並ぶ。核家族向けだろう一本まるまるが邪魔にならないのも嬉しい。生産者としては収穫量に問題があるけれど、使い勝手では優等生であるし、味も優良品種と比べて遜色ないから試食してみてほしい。
絵手紙の創始者小池邦夫さんが逝去された。絵手紙...【続きを読む】
未練あるうちに辞めれば辞められる
心に残るようになれば、辞めにくいと思うのが人情である。ここはひとつ、思いきることができない状況にあってどうして辞められるのだろうと。それが、自分の人生をほぼ終えた人間の特色で、「スパっと思いきる」これができない人には次の一歩が出ないのだ。もっともここまで泳いできて、今更気づいたところで、元の岸へ戻る...【続きを読む】
転び癖いつも何とかなる不思議
高齢者と転倒はワンセットのようなものである。その経験のない高齢者は皆無に等しい。例にもれず、私もしっかり転倒してきた。病院のお世話になったこともある。それでも、今日までこうして普通の生活が出来ているのは、いつも何とかなった身体のお蔭と、反省しているというより、「運がよかったとしか言いようがない」とそ...【続きを読む】
2六歩静かな海へ出る孤独
藤井聡太七冠は、やがて前人未踏の八冠を戴く日も夢ではない。将棋の先手が飛車の頭の歩を一齣すすめることが「2六歩」で、今は静かな海へ漕ぎだした瞬間である。個人競技では内に秘めた闘志を除けば全て孤独である。
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盤壽とて数えきれない崖っぷち
81歳を(半寿)盤寿というが、碁盤目の9×9=81からも盤寿というらしい。人間も80歳の峠を越えれば人格も環境も落ち着いて来るのが世間一般の相場。ところが、この半壽は、数々の危ない目に遭っているという。まずは、健康、そして人間関係、金銭問題、等々の崖っぷちを泳いでいる。やがて季節が変われば、風向きも...【続きを読む】
出しそびれて使えなくなったエロス
ちょっかいを出すつもりで密かに準備していたキューピットがもたもたしているうちに二人の熱が醒めてしまって役立たずになったという。何事にもチャンスがある。慎重にも、速攻にもタイミングさえ掴めば簡単なのにである。踏ん切りの悪さに嘆きも聞こえる。
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罪じゃない好きで騙されたんだから
他人を騙すのは一般的に言えば軽重は別にして罪である。私の場合は希望して自ら進んで騙して頂いたのだから罪にしないで下さいと宣う。自ら進んで騙される中味にもよるけれど、覚悟の上で、だまされるとは、相当な趣味である。マニアが覚悟の上でだまされるとは、負けるにもキャリアがいる。(雛罌粟)
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当然が不足を言うて生きている
財力体力能力どれをとっても、人並外れて優っているとか、優れているものがひとつもない。現状の生活は周囲から見れば「それなりに当然」である。にも拘らず、あれが少ない、これが足りない、それが悪いと並べ立てながら自死の考えは微塵も持たず息をしているという身近なおはなし。
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飛竜頭が読めずメニュー裏返す
飛竜頭(ひりょうず)とはところてんのことらしいが、メニューを手にして、真っ先に目に飛び込んできた飛竜頭が読めないのでメニューを伏せて特別大きな看板にある「本日の特売サービス」を指定している。この字が読める別のテーブルのお客は、そのことが言いたくてわざわざ注文してくれているらしい。店長のにんまりが見え...【続きを読む】
三歳児なりの哀しみ抱いて泣く
三歳になると幼児も自己主張がしっかりしてくる。「三つ子の魂百まで」ともいうが、文明が進歩しても、幼児の発育が早まっても、今でもしっかり通用する。声も立てずに涙を拭う所作は、立派な大人と変わらない。
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矛盾した盾役の道振り返る
考えてみれば人生の大半は盾役だったような気がする。個性のなせる業か、運命なのか。鉾役の攻撃役には、結果次第で飛躍のチャンスがあった。盾役は完璧に守って当たり前で、破られでもすれば、たちまち明日の糧さえ失いかねない綱渡りも経験した。相手にお情けも貰いながら、幸運だったなあと、くねくねよじれている戦歴を...【続きを読む】
試されている「花マルをあげましょう」
花マルを貰ったことのない幼年期を過ごしたものには価値観が異なるかもしれないが、「あげましょう」と言われて悪い気はしないが、その自信の無さが、上五の不信感に繋がっている。疑うことを知らない若者と、戦に翻弄されながら少年期を過ごした者の、根本的なスタンスの違いかも知れない。
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わたしの海涙の味に教えられ
おとなになると流す涙の味が、塩っぱいからほろ苦さに変化する。海の塩辛いのは常識だと考えていたが、苦さの方がしっかり強くなってきた。泣きに来た私の海もきっとこの味なんだとしみじみ知ってしまった味に唇を噛みしめている。
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旧姓で呼ばれなくなり遥かな日
情報過多の現代では、理解されにくい句材である。新婚ほやほやの頃には、友人、知人から旧姓で呼ばれることも珍しくないし、親しみを込めて故意に旧姓を使うこともある。結婚に夫婦別姓が物議を醸していることも踏まえて、遥けし日である。やがて、歴史の中に取り残され、句意も損なわれる日が来る。
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おとこの嘘見抜け出したら萎みだす
花が真っ盛りの頃には、ほかの花に負けまいと精一杯に花弁を開いて、絶好調である。忍び寄る男の譫言も甘く聞こえる。時には勇み足もあるが若さで乗り越えてきた。。いま、ようやく男の常とう手段の隙間が目に付き出したころには、お声がけもめっきり減って来たという。やがて、見向きもされなくなるのが大方の味わう浮世の...【続きを読む】
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