来世では少し崩れた人が好い
人間が追う幸せの欲求には際限がない。幸せにどっぷりと埋もれてくると自分の置かれた環境が見えなくなるから怖い。句のような心境には周囲からブーイングが起こるのは必死。それとなく恵まれた人生を誇らしく見せようとする。この句に共鳴する輩は来世での地獄行きは必至だと思う。
...【続きを読む】
人間を脱いで向き合う非戦論
賢い人間(ホモサピエンス)は人類こそが地球を制する万物の霊長であると信じて疑わない。しかし、人間を支配している血には、弱肉強食を含む動物本能が隠し持つDNAが紛れもなく脈々と流れている。
だから、まず人間を脱がないと話が前に進まないのである。
...【続きを読む】
宝石のひと日よ米寿愛おしむ
元気印の手本のような生活を送っていた姉が102才で往生した。前夜17時まで元気に東京音頭を口遊んでいながら、突然の旅立つだった。末っ子の私が明日6月15日米寿を迎える。まだ、施設のお世話にもならず存えており、心底から吹き出すような幸せを全身で受け止めている。これからも、ひと日一日を大切に暮らしていき...【続きを読む】
そんなことありませんよとシャボン玉
前の言葉を前面否定している。ところがこの否定には一旦受け入れてから、やんわりと返す会話の中のテクニックとも受け取れる。とは言うものの下五の「シャボン玉」は儚い命の象徴のようにも取れるから、読み手の迷いは深くなるばかりである。ありふれた想定だが「旦那様のご指示ですか」と尋ねて、余白を埋めてみた。
&n...【続きを読む】
猫に似てまた過ちを繰り返す
ペットの中でも猫は薄情者で名が通っている。薄情者は浮気者に通じるところもあるというと、猫愛好家から顰蹙を買うだろう。とかく軽率な行動をすることは否めない。また繰り返すは、「軽率」にぴったりの表現で、昔から三年飼っても三日の恩さえ知らぬと言われているが、現代の世相にもぴったりで、そこが何とも魅惑的だと...【続きを読む】
これがまあ我が家限定満足度
各家庭によって民度に差があるように、生活の程度も微妙に異なる。子供の頃にはそれなりの生活に馴染んだいても独り立ちして世間のレベルが見え始めると、悲喜こもごもである。やがて子供達が巣立って元の古巣に戻ると、価値観は極端に偏ってくるが、決して世間の常識に流されようとはしない。
...【続きを読む】
振りも入れ忘れる技を忘れてた
「何時の間にか」と言うのが正直な実感である。家族から、少しづつ疎んじられてくるようにはなったけれど、まだ姥捨て山の話は聞こえてこない。記憶がなくなる。思い出せない。ウッカリ忘れて心が他に移る。本当に物忘れするということは辛いことではあるが、「忘れる」という技をしっかり使うのも、重宝な術で上五の「振り...【続きを読む】
猜疑心コップの水が増えている
ふとしたことで人を疑うきっかけが生まれると果てしなく拡大していくのが嫉み心の常である。目減りしたのならともかく、コップの水が増えているのではないかと疑い出したらもう、際限がなくなって来る。その場はやり過ごしても微妙な変化は、気持ちの持ち様にも関わってくるから実にややこしい。添付絵もそれとなく暗示する...【続きを読む】
「はいはい」と「はーい」で気分すぐわかる
声色という声の色がある。個人差があり、特に歌手の「ゆうめいじん」には、歌の物まねを売りにする声帯模写さえいる。プロの歌手には売りの声色がなければ話にならない。こちらの声色は、短い「ハイハイ」ながく伸ばして「はーいはーい」で現在の天気がうかがえるという。実感ですねえ。
...【続きを読む】
何かしておらねばつまらないわたし
後半の言葉「つまらないわたし」がこの句の全てだと思う。普通には「道理に合わない」「意に満たない」「価値がない」「とんでもない」と解釈でかなりの変化が生まれる。ここは川柳として、常識の範疇かも知れないが、「面白くない」が相応しいと思う。前向きではあるが、やや自信過剰な特徴が、素顔から覗いている。
&n...【続きを読む】
知り過ぎて飛ばした中味知りたがる
久し振りの女子会、「ちょっとハイになりすぎたかな」軽い疲労感が残る。日々業務で携わっている専門分野だから、サラリと聞き流したが、気になる発言をした彼女。ちょっとその後の詳しい経歴を無性に覗いてみたくなっちゃった。本人は気付いてないけれど、立派なライバルなのである。
...【続きを読む】
捨てられもせず返せない傘を干す
上五の「捨てられもせず」上七の破調ではあるが、これが全てを表している。ひょっとしたら「捨ててください」と言われて借りてきたのかも知れない。いずれにしても返せないのは、借主の勝手な思いである。けれども、その勝手な思いこそがこの川柳のネタである。それぞれがストーリーを楽しめばよろしいかと。
...【続きを読む】
ノーと言えば済む話だがついてくる
簡単に「ノー」言われては上司もやるせないであろう。がんじがらめの網を巡らせて、その中へ誘い込んでいく。人間の心理も踏まえて組んである会社組織の網は、少々の知能や理性では外せないが。「ついて来る」と上司の期待を良い方に外している。最近は、会社主催の花見の宴へのお誘いも若者の多様化で、細心の注意を払うの...【続きを読む】
勝手ですがずっとずーっと待っている
相手から見れば、「勝手にしなはれ」かも知れないがここはホレ純朴一途な青年を描いてほしい。ひょっとして、何かのはずみでも好いから、天女が舞い降りてくれと願う。第三者ってやっぱり弱者の味方ですね。
...【続きを読む】
泣きに来た海が裸になれという
やり切れぬ思いを抱いて海辺の宿を訪れる。映画のワンシーンのようでもあるが、もう纏っているものはないと思っていても、大自然からみれば物足りなさが見えるのだろうか。「裸になれ」と諭してくれる。
ここからが勝負と、素早く気付いた者から再起の切符が手渡される。
...【続きを読む】
古傷と戯れながらBランチ
古傷はある程度の年齢を重ねた者なら、深浅の差こそあれ誰にでもある。さらにその古傷もお互いが認め合う年代になると、「あの夜はあなたのところで泣き明かしたわねぇ」「翌朝、あなたったらけろっとしてるんだもん」二人だけの思い出話は際限がなく、とことん続く。そんな二人にはBランチがよく似合う。
...【続きを読む】
騒いだらアカン仕合せなんだから
拙画でもきわどい絵にはブーイングが聞こえてくる。出来るだけ「らしく」の演出を心掛けている心算である。「シアワセ」も「幸せ」も「倖せ」も「仕合せ」もあるが、ここは敢えて「仕合せ」を選んだ。若者の多様性は高齢者の思考の及ぶところではない。抑えても押さえても顔を擡げる老婆心を懸命に抑え込んで、ひたすら傍観...【続きを読む】
帯解いてお薬におわす内裏雛
和服で盛装して、帯をきっちりと纏っていると貼り薬の匂いも閉じ込めて外部には漏れないらしい。最近の薬事は肌から吸収させる手法も取り入れられており、一昔前の貼り薬は筋肉痛専用だとは限らない処が厄介。体調不良か、内臓疾患か、やがて衆目の知るところとなるだろうが、まだ気付いているのは、ひな壇に整列している近...【続きを読む】
Loading...





































