
猫川柳に応募したことがある。写真付きで川柳を応募するマガジンの企画だ。
落選した。
恨みはしませんよ。本当です。
そんな小さい人間じゃありませんよ。本当です。
採用された猫好き作家さんに猫いらずを盛ったりもしませんよ……多分。
さて、考えてみれば、猫川柳の読者は猫好きである。愛らしい写真と、猫への愛情がこもった川柳を読みたいに決まっている。実際、かわいい写真がたくさん並んでいる。
ところが、私が見せたかったのは、生き物としての猫だった。
猫は好きな動物である。ただ、飼育の手間を考えると飼うまでには至らず、ペットショップで愛らしい姿を眺めるのが関の山だ。
では、猫をあまり見ていないのかというと、そうでもない。路上では、ずいぶんたくさんの猫を見ている。
実は私はポスティングをしている。そこで何度も出会うのが、そのあたりを縄張りにしている、いかにも猫相の悪い野良猫だ。警戒心が強く、こちらをうかがいながら一定の距離を保って移動する。なかなかワイルドな風貌だが、猫の世界では案外モテるのかもしれない。

(何してるか、説明不要ですよね・・・)
夜になると、黒猫たちが跋扈する。仲間とともに暗闇の中で目を爛々と光らせ、思いも寄らないところから飛び出してくる。こちらが思わず飛び上がることもある。
愛らしい猫もいい。だが、こうした野生を帯びた猫にも目を向けてほしい。
飼い猫も、もともとは自然の中を生きる動物だ。もちろん、家の中でくつろぐ姿も猫の本性だろう。けれど、野良猫には、人間に見せる顔とは別の顔がある。警戒し、身を潜め、夜の闇を自在に歩く。その姿にこそ、猫という生物の本性がある。

かわいいだけではない猫も、なかなかいいものだ。
春風や壁に穴開く猫の声 木立時雨
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