
反省をしてる三角抱いている
「三角」とは何か。
昨年末、宮城野社の本社句会で特選をいただいた句である。雫石隆子氏からは「騙された」という言葉もいただいた。その晩の飲み会でひとまず解説したものの、改めて「三角」の意味を考えてみたい。
五歳児健診では、四角は描けても三角を描くのが難しい子どもが多い。私は、身の回りに四角いものが多いからではないかと考えている。
家の中を見渡しても、窓、机、テレビ、箱。街に出ても、建物や看板。四角は安定した形であり、私たちの暮らしは四角に満ちている。
一方、三角はどうだろう。
三角は、四角ほど身近な形ではない。しかも、ひと口に三角といっても、正三角形もあれば、不安定に傾いた三角形もある。三角は、四角に比べてどこか動的な印象を与える。
大人の目から見れば、三角は理想を象徴する形でもある。
「三人寄れば文殊の知恵」というように、ヘーゲルの二者の対立に第三の視点が加われば、新しい解決への道が開ける。文化人類学者レヴィ=ストロースの料理の三角形も、生のものが火を通され、文化へと変わっていく過程を捉えたものだ。三角は、異なるものの関係や変化を表す図式でもある。
それに対して、四角は安定の形だ。動かず、揺るがず、そこにある。
さて、私の句に戻ろう。
「反省をしてる三角抱いている」
夜にアマゾンから届いた四角い箱なら、抱えるのは難しくない。ところが、三角錐となると話は違う。ましてや、それが重ければ、抱き続けるのは苦行に近い。
反省とは、そういうものではないだろうか。
頭を下げて済むのなら、反省はたやすい。しかし、本当に反省するということは、自分の中に何かを抱え、それを次の行動へとつなげることだ。過去を振り返るだけでなく、未来へ向かって自分を変えていく。その意味で、反省には動きがある。
私は、三角にその動きを託した。
さらに視野を広げて、占星術の世界ではどうだろう。
星占いでは、三つの星を結ぶトライン(三角形)は動きのスムーズさや調和を表し、四つの星が作るスクエア(四角形)は緊張や葛藤を表すとされる。もちろん、ここでいう調和や緊張は、単純な幸運・不運の区別ではない。物事がどれほど円滑に進むか、あるいは困難を乗り越えるためにどれほどの努力を要するか、という違いである。
さらに、四つのスクエアが組み合わさるグランドクロスは、大きな緊張を抱える配置とされる。生まれ星がグランドクロスのスティーブ・ジョブズや伊達政宗のような人物はなるほどと思うが、もちろん、星の配置だけで人の人生が決まるわけではない。
それでも、三角と四角の対比は興味深い。
四角は安定をもたらすが、ときに動きを止める。三角は調和を生む一方で、抱えれば落ち着かず、何かを促してくる。
地上には、安定した四角を期待するが、私は反省という名の三角を抱えながら、明日へ向かう。
地に四角天に三角夜おでん 木立時雨
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子供の頃近くに住んでいた大工さんに、三角の屋根で家は守られていると聞いたことがある。
家の中は四角だが屋根は三角であった(今の家は違うが田舎の家はそうだった)四角の安定は三角があるからかもしれない。台と言う字に似ている。地に四角天に三角夜おでんは家そのものですネ。
沢田石さん、コメントありがとうございます。
家が四角だけだと屋根に水溜まっちゃうし、三角屋根はてっぺんから囲炉裏の煙を逃がしたり、三角屋根は空気や水など動くものと関わってるかも。
もう少し寒くなったらおでんで一杯やりましょう。