今回も川柳ネタではない。
本当なら今日は東京で、アコーディオンデュオのコンテストに出るはずだった。ところが相方が妊娠し、ドクターストップ。まさかのドタキャンとなった。
ならば、代わりに楽しい手風琴生活でも紹介しよう。
先週は保育園で演奏した。
子育て支援センターからの依頼で、対象は零歳児、一歳児とその母親。ところが会場に着いてみると、裏手の復興住宅から老人たちも集まっている。保育園の園児も加わり、総勢五十人ほど。観客の年齢幅、零歳から九十歳代である。

三日前にリクエストされた「アンパンマンメドレー」を弾き、年配向けに懐メロも少々。
「ほかにリクエストは?」
すると九十歳を超えるばあちゃんが、間髪入れずに叫んだ。
「岩壁の母!」
そして、朗々と歌い始める。
私はそのキーに合わせて伴奏する。
子育て支援コンサートのはずが、いつの間にか「岩壁の母」の大合唱。最後はばあちゃんたちと握手をして別れた。
想定外も、想定のうちである。
先週のジャズフェスも盛況だった。百人を超える客が集まり、コール&レスポンスで盛り上がった。

曇天で、さほど暑くない。今日は楽だと思っていたのだが、終わってみれば汗だく。
思いがけず、二十年ぶりに会う中学校の同級生もいた。前日から翌日まで、バンド仲間や友人たちと飲んで騒いだ。
たぶん、うちのバンドだけで百万円以上の経済効果があったと思う。
根拠はない。
しかし、酒代だけは遠慮なく使った。

一昨日は小学校へ。
音楽室で、一年生から三年生を相手に演奏体験をした。
ジブリを弾くと、手拍子が始まり、やがて全開の大声で歌い出す。
こちらも負けじと、子ども用アコーディオンを九台持ち込んで、実際に触ってもらう。

さらに曲当てクイズ。
バッハの「トッカータとフーガ ニ短調」を弾く。
さすがにこれは分からないだろうと思った。
ところが、
「失敗したときの曲!」
「鼻から牛乳!」
教室が爆笑に包まれる。
小学校低学年が、よく嘉門達夫なんて知っているものだ。
「ナルトダンス」を弾けば、校長も教頭もいるのに、子どもたちは踊り始める。
この全力の自由が好きだ。
音楽には、年齢も肩書も関係ない。
零歳児には「アンパンマン」、九十歳には「岩壁の母」。小学生には「鼻から牛乳」。
音楽をきっかけに、それぞれの自由が勝手に動き出す。
だから、手風琴は面白い。
そして最後に、校長先生に言うのを忘れない。
「今度は子ども川柳教室、やりませんか?」
川柳も自由だ。
無風でも風を興して手風琴 木立時雨
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