やっちまった!―セルフレジにて―
その日は、9月の下旬になろうとするのにまだまだ残暑が続く平日の昼下がりだった。いつものように昼寝した後の日課であるサイクリングを終え、行きつけのスーパーに立ち寄った。
クレジットカード払いにすると全商品が5%割引になる日だったので、何か安い物があればどんどん買おうと考えていた。でも予想外の暑さの...【続きを読む】
扇風機の首振り機能について
落語に「けちくらべ」という演目がある。世の中にどれほどけちな人間がいるか、それを競い合う噺である。いろいろな題材を持ってきておもしろおかしく紹介するので、聴いた方は多いと思う。
その中に扇子を使ったものが出てくる。こんなやりとりである。
「あなたの持っている扇子は、どのくらいの間お使いになってい...【続きを読む】
首筋の瘦せ具合
6年前のことだが、初孫が生まれてまだ2、3か月の頃、お風呂へ一緒に入って沐浴させたことがある。娘に湯船の中で孫を抱きかかえる様子をスマホのカメラで撮ってもらった。後からその画像を見て、30年近く前、私の父が孫である私の娘を同じように抱いて撮った写真のことをふと思い出した。
それぞれの画像や写真に...【続きを読む】
加齢と幽霊について
齢を重ねて老境に近づいてくると、自分が生きていくことに対して少しずつ開き直ってくる。今更若気の至りを後悔しても何も始まらないと考えるようになる。
自分の周辺に存在するものや存在すると言われるものに対して、一々憎悪や恐怖の念を抱くといういうことがある意味で面倒くさくなる。蚊に刺されれば、それをじっ...【続きを読む】
擂り胡麻と胡麻擂りの家
先日行きつけのスーパーへ向かうと、店頭に袋入りの「すりごま」が並べられているのに気がついた。100円程度である。無性に懐かしくなって手に取り、思わずカゴに入れてしまった。
多分子供の頃からのことだと記憶しているが、我が家では擂り胡麻を重宝にしていた。そうめんのごまだれや正月に用意するなますなどの...【続きを読む】
国語の勉強法について
大学受験の勉強のうち、国語というのは特殊な位置にある教科だと思う。他の教科は、文科系・理科系を問わず、とりあえず学習しないと話しにならない。しかし日本語自体を扱う国語となるとちょっと様子が違う。
日常生活におけるコミュニケーションの手段として、日本国民なら日々日本語を使用している。どんな難解な文...【続きを読む】
「ものぐさ精神分析」シリーズ
大学生時代に一番感銘を受けた本は、岸田秀著「ものぐさ精神分析」(青土社)だった。大学の授業の帰り、時間的な余裕があると古本屋を巡ったり大手書店に立ち寄ったりしていたが、月刊雑誌の「ユリイカ」や「現代思想」(いずれも発行元は青土社)などを立ち読みで捲ることが時々あった。どちらも正直に言って難しいこと...【続きを読む】
誰でもなれる大臣
政治についていつも辛口なことを話す友人がいる。ある時、(国務)大臣の話題を持ち出してきた。日本の大臣なんてものはそもそも誰でも務まるんじゃないか。そして大臣職には表に出ない格付けがある。格付けの低いポストがいくつかある。友人曰く、二流の大臣職なら(担当する省庁も低く見られているかもしれないが)俺で...【続きを読む】
消える年金
公的年金の支給開始時期が少しずつ繰り下げられている。私の親は60歳から受給、私は65歳からだった。平成生まれの私の子供などは、いずれ70歳からとなるだろう。世代が下る毎に支給が先延ばしされている。令和生まれの私の孫などは75歳から支給となるかもしれない。年号は何になるか知らないが、曾孫が生まれれば...【続きを読む】
「おもてなし」なんて…
「おもてなし」という言葉が実はあまり好きではない。かつての東京五輪招致のプレゼンテーションで使われて一時期流行語にもなったが、商業主義の世界であからさまにこれを用いられると興醒めする思いがある。
気くばりという言葉もだいぶ前に流行った。鈴木健二さんの書いた「気くばりのすすめ」がベストセラーになっ...【続きを読む】
繰り返すことについて
新聞記者出身で随筆執筆を趣味にしている文芸の先輩がいた。何かの集まりがあって隣席になった際「一つの文章に同じ言葉を二度繰り返さないよう心がけていつもペンを執っている」と私に語りかけてきたことがあった。記者としての現役時代、原稿を書く際にいつもそのことに留意していたのだろう。先輩記者から厳しくそれを...【続きを読む】
無常観について
高校生の頃、国語(現代国語)の教科書や大学入試の模擬試験に小林秀雄や江藤淳などの評論がよく出されていた。16、7歳の高校生には些か難しいところがある。正直に言えば、私の頭の中ではチンプンカンプンの時もあった。異次元の世界の話題にも思えた。とりあえず試験問題に出るから、そんな理由で晦渋な文章に向き合...【続きを読む】
夢の中の世界
所属するコーラスサークルの発表会が8月下旬にあった。その半年前に、どんな歌を歌って発表するかの話し合いがサークル内部であった。メンバー各自が歌いたい曲を持ち寄ることになった。集まったタイトルをまとめてると昭和歌謡がほとんどだった。これは、歌う側の平均年齢を考えれば、大方予想がつくことである。
さ...【続きを読む】
世の中は速くて早いものなのか?
以前、NHKの「チコちゃんに叱られる!」で、齢を重ねるにつれ、なぜ歳月が過ぎ去るのを早く感じてしまうのか、という問題が出ていた。答えは、年老いてくると記憶力が低下するからというものだった。番組では一つの実験が紹介された。
小学生くらいの子供を対象にして前日にあった出来事をすべて話してもらう。そう...【続きを読む】
目的論と機械論さらに進化論
哲学には、目的論と機械論という二つの考え方がある。以下、Wikipediaから要約して引用する。
[目的論(英語: teleology)とは、我々人間の営みやこの世界が、何らかの目的によって規定・支配され、それを達成するために存在・現象しているとする思想的・哲学的立場のこと。人間の主体性を強調する...【続きを読む】
「好き嫌い」ってナニ?
20歳前後の頃に思い悩んだことを今でもはっきり憶えている。
高校生の時に「ポセイドン・アドベンチャー」(主演はジーン・ハックマン)というアメリカ映画を劇場で観た。豪華客船「ポセイドン号」が大津波で転覆し、ほとんどの乗客・乗組員が亡くなる中、果敢に行動した8名が生き残って救助されるという物語である...【続きを読む】
人間ドックとの付き合い
どこの事業所にも職場の健康診断が年1回ある。これは労働安全衛生法に基づいてどの事業所にも課され、必ず実施することになっているものだが、私は40歳から外部の人間ドックに切り替えていた。こういうやり方も法令上は問題ない。こうするようになったきっかけは以下の理由による。
60歳の定年まで、5年単位の節...【続きを読む】
「自分をほめたい、ほめてあげたい」
1996年に開かれたアトランタオリンピックの女子マラソンで銅メダルを獲得した有森裕子選手が、ゴール後のインタビューで言った「自分で自分をほめたい」は名ゼリフとして今も人々の記憶に残されている。なかなか上手い言葉である。その4年前のバルセロナ五輪では銀メダル。今回はゴール直前での後続の追い上げを見事...【続きを読む】
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