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 我が家はずっとプロパンガスである。お風呂と給湯、それに暖房は石油を使っているので、ガスの使用量は大したことはない。
 平成26年頃、あるプロパンガス会社の営業の方が来て、ずっと安い契約でガスが使えるので弊社に乗り換えたらどうかという話しを持って来た。基本料金は2,000円から1,000円と半額になり、使用量の単価(1立米)も安くなる。その驚きの料金に最初は半信半疑だったが、職場で施設管理を担当している部署の人間に訊いてみると、その会社は決して怪しいところではなく大手の業者ということだった。数日考えてみて、結局そこに契約することになった。元の会社へガスボンベを返す作業などの面倒くさいことは新たなガス会社がすべてやってくれた。
 しかし老母は当初反対していた。東日本大震災が起きた時、その揺れで安全装置が作動しガスが自動的にストップしてしまったが、Aさんという担当が速やかに来て丁寧に対応してくれたと話していたのである。恩義があるその人を裏切るようなことはできないと、老母は考えていたようなのである。元の業者へ契約を解除することを電話で話すと、そのAさんがわざわざ我が家にやって来た。基本料金を他社が1,000円に負けるというなら、弊社でも同料金にすると言い始めたのである。それでは今まで払って来た請求額は何だったのかと、顔には見せなかったが私は憤慨したものだった。もちろん、その提示はきっぱり断った。
 ひと月経って請求書を見てみると、確かに安い。今までの半分以下の料金である。噓ではなかった。職場でこのことを同僚達に話すとびっくりしていた。既に私の家と同じように安い業者に変えている者もいた。私は職場以外の知り合いにもこの業者は安いぞと勧めた。その後その会社はテレビでもお笑い芸人を使ったCMを派手に流すようになった。それを見て更に安心感を持った。
 それから1年半後、基本料金は1,000円から1,500円にいきなり改定された。さらに2年後1,800円に改定された。それ以外にも使用量単価が何度も改定された。いずれも「諸般の事情により云々」みたいな、理由があってないような言葉を並べた通知が一方的に届いただけのものだった。結果的には以前に契約していた業者の時とさほど変わらない料金になってしまったのである。
 電気・ガス・水道のインフラなどというが、わずか5、6年程度で2倍近くも値上がりするガス供給とはいかがなものか、現在そういう心境である。たまたま領収書を保管していたので過去のデータを調べることが出来たが、漫然とやり過ごしていたらなかなか気がつくことはできなかったのではないか。
 思い起こすと、以前のガス会社は、メーター検針の際に請求書と一緒に確かタブロイド判のチラシをいつも置いて行った。紙面は、自社の宣伝の他に料理のこと、暮らしの豆知恵みたいなものの紹介、さらにちょっとした文芸欄も載せていた。かつて川柳マガジン文学賞を受賞した茨城県の岡本恵さんが投稿した作品が載っていたのをはっきり憶えている。こんなところにまで岡本さんは投句しているのだと感心したのである。そしていつも注意書きとして、「安い料金を謳ったプロパンガスのブローカーにご注意ください。」という警告の一文を入れていた。
 乗り換えて契約した業者がそのブローカーというものかどうかは分からないが、インフラ関係で阿漕な料金改定をされたら堪ったものではない。家計の遣り繰りに直結する話しである。
 プロパンガスの料金というのはそもそも請求書や領収書を見ると、どこの業者でも電気や水道料金のようにきちんと金額の内訳明細がはっきり記されておらず、消費者相談窓口へ苦情を言いに行ってもおかしくないようなところがある。お客に対する情報開示が不親切なのである。
 最後に一言付け加えると、再度ガス業者を変えることはもう面倒くさいことなので、余程のことがない限り今後我が家ではやらないつもりである。

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